IAISのHLA要件案への意見書を提出
〜G-SIIsに対する上乗せ資本要件について意見を表明〜
(2015.8.24)

 日本損害保険協会(会長:鈴木 久仁)は、保険監督者国際機構(International Association of Insurance Supervisors:IAIS)のシステム上重要なグローバルな保険会社(Global Systemically Important Insurers:G-SIIs)に対する「上乗せ資本(Higher Loss Absorbency:HLA)要件」に関するパブリックコメントへの意見書を8月21日(金)に提出しました。

 国際的な資本基準の策定を進めるIAISは、G-SIIsに適用する規制の一環として、HLA要件の策定を進めています。IAISは2014年に、HLA要件の土台となるベーシック資本要件(Basic Capital Requirements:BCR)を策定しており、今般、それに引き続き2015年6月25日から8月21日までHLA要件案に関するパブリックコメントを実施しました。

 HLA要件案は、G-SIIsに保険事業と非保険事業の双方に対するBCRおよびHLA所要資本の合計以上の資本の保持を求めるとしています。また、HLAを、「G-SIIの金融システム上の重要性に応じて設定される係数」と、BCRおよびBCR引上げ分の合計を基礎とした「非伝統的保険事業(NT)と非保険事業(NI)にどのくらいの重みを付けるかを考慮したエクスポージャー」の積で算出するとしています。

 今回のパブリックコメントでは、特にG-SIIごとに課される係数(G-SIIsを区分化したうえで、区分ごとに付与される係数)やエクスポージャーの設定におけるNTNIへの重み付け(係数ガンマの水準)等について意見が求められました。

 当協会はIAISでの国際資本基準策定の議論に積極的に参加しており、今回のパブリックコメントに際して当協会がIAISに提出した意見書の主な内容は次のとおりです。


  • HLA要件の前提であるG-SII選定基準やNTNIの定義は見直しが予定されているため、これらが明確になった段階で改めてHLA要件に係るパブリックコメントを実施すべきである。
  • 区分化の基準となるG-SII選定基準の総合スコアに関する情報不足や構造上の問題から、区分設定の妥当性について判断できる状況にはなく、これらの問題が解消されるまで区分化は行うべきではない。
  • HLA要件がシステミック・リスクを削減するインセンティブを有効に機能させるためには、スケール係数を定期的に見直すべきではない。定期的に見直す場合、G-SIIs全体がシステミック・リスクの主因とされるNTNIの相対量を減らしても、見直しの時点でHLAの水準が導入当時の水準に引き上げられてしまう。
  • 係数ガンマ(0から1の間で設定されるNTNIエクスポージャーへの重み付け)の水準は、システミック・リスクの主因がNTNIであること等に鑑みて、可能な限り1に近いものとすべきである。

 HLA要件は今後、パブリックコメントやフィールドテストの結果を踏まえて、2015年11月のG20による承認、2019年1月のG-SIIsに対する適用開始が予定されています。なお、G-SIIの選定は毎年実施されていますが、これまで日本に本拠を置く損保会社はG-SIIに選定されていません。


保険監督者国際機構(IAIS)のHLA提案に係る損保協会意見(和英)