IAISのICP15、16市中協議への意見を提出
〜「投資」および「ソルベンシー目的のERM」に関する基準について意見表明〜
(2018.2.1)

 日本損害保険協会(会長:原 典之)は、保険監督者国際機構(IAIS)の「保険基本原則(ICP)15、16」の市中協議に対する意見書を1月26日(金)に提出しました。

 ICPは、保険分野の健全な発展を促し、保険契約者を適切に保護するために必要となる保険監督上の基本的な原則を定めた監督文書です。IAISメンバー国・地域は、ICPに則った監督制度を実施することを推奨されています。また、世界銀行・IMFの金融セクター評価プログラム(FSAP)では、このICPを基準として、評価対象国の保険監督制度が国際水準を満たしているかを評価しています。

 IAISは、現在ICPの包括的な見直しを進めており、今回はそれぞれ「投資」および「ソルベンシー目的の統合リスクマネジメント(ERM)」に関する基準であるICP15、16の改定案が2017年11月8日から2018年1月31日まで市中協議に付されました(ICP全体の改定完了は2019年予定)。また、国際的に活動する保険グループ(IAIGs)の監督に適用される要件であるコムフレームの策定も2010年7月以来進められており、これまでに複数回の市中協議が実施されております。

 従来ICPとコムフレームは別文書で策定が進められておりましたが、課題テーマ別に基準策定・改正を進めるとのIAISの方針変更に伴い、昨年3月の市中協議から、ICP文書にコムフレーム文書を統合することとなり、これによりICPの中にIAIGsのみに適用するコムフレーム要件が盛り込まれることとなっています。

 今回の改定では、自己評価およびピア・レビュー(SAPR)の結果を受けた改定のほか、ICP16については、ICP8「リスク管理および内部統制」との重複排除・一貫性確保の観点から、ソルベンシー目的のERMの枠組みに特化した内容となるよう整理されております。コムフレーム要件に関しては、ERMおよびグループワイドのERM方針に該当する箇所のICP15・16への統合、定量的フィールドテストのフィードバックを考慮した変更等の改定が図られています。

 当協会はIAISでの国際保険監督基準策定の議論に積極的に参加しています。今回の市中協議に対し、当協会からは以下を含む意見を表明しています。詳細は下記リンク先をご参照ください。

ICP15

  • ルールベースとプリンシプルベースの双方の投資要件に対して中立的な記載とすべく、ルールベースの利点のみならず制約も記載すべき。
  • IAIGのグループワイドの投資に求められる各種制限(低格付けの投資・安全性評価が困難な投資のエクスポージャへの対処、投資ポートフォリオ・場所にかかる最低流動性基準、グループ内投資に対する金額リミット等)の設定について、グループ各社の業態、負債特性、資産運用態勢、経営体力等に応じた柔軟な対応を確保すべき。
  • 保険者の適切な投資行動を促進し、機動的な運用を可能にするために、規制上の投資要件の設定は必要に応じて行われるべき。

ICP16

  • ERMフレームワークに盛り込む事項について、保険引受リスク、リスク移転、保険金支払等に係る実務的な内容については、管理手順や管理方針で扱うことを認めるべき。
  • IAIGのグループワイドの保険金請求管理、再保険戦略・リスク移転戦略等について、集権的な統制機能のほか、分権的な統制機能に基づくグループ経営も明確に容認されるべき。
  • 保険数理方針について、複数の部門が跨り保険会社全体として当該機能を発揮するケースが明確に容認されるべき。また、IAIGにおける保険数理上のガバナンス・報告については重要性(proportionality)に応じた対応や簡易対応も認められることを明記すべき。

IAISのICP15、16市中協議文書への損保協会意見(和英)(PDFファイル)