IAIS取締役会の構成および役割に係る文書案に意見提出
(2018.9.3)

過度に規範的な表現の修正を求める

 日本損害保険協会(会長:西澤 敬二)では、保険監督者国際機構(IAIS)(※1)が公表した「取締役会の構成および役割に係る適用文書(※2)案」に対する意見を8月13日に提出しました。

 本文書は、保険基本原則(ICP)5(個人の適格性)、7(コーポレート・ガバナンス)の実務における解釈、適用を支援するべく、事例やケーススタディ等を提供するもので、6月29日から8月13日まで市中協議(パブリック・コメント)に付されました。

<文書の主な内容>

  • ICP5(個人の適格性)、7(コーポレート・ガバナンス)の実務における解釈、適用を支援するべく、事例やケーススタディ等を提供する文書。
  • 日本を含む各国の現行監督規制に新たな要件を求めるものではない。
  • 監督者が実際の監督において直面しうる、取締役会の構成や役割に関する問題事例やシナリオ、実施しうる対応例が記載されている。
  • 取締役会が効果的であるための要件として、能力、構成、責任の割り当てと委任など「組織的側面」と、支配、過剰な影響力、異議申立てや協力の技能、変化の許容度、多様性への寛容度など「行動的側面」の両面が不可欠としている。
  • 監督者は、本文書に列挙された様々な対応例を必要に応じて実施しうるとしている。

 当協会では、本文書はICP5(個人の適格性)およびICP7(コーポレート・ガバナンス)の実務における解釈、適用を支援するべく、事例やケーススタディ等を提供するものであり、各国の現行監督規制に新たな要件を求めたり、同様の効果を達成する限りにおいて特定の取締役会の構造やガバナンス手法を推奨するものではないことを再確認するとともに、この点を明確にする観点から、以下のコメントを提出しました。

保険監督者国際機構(IAIS)「取締役会の構成および役割に係る適用文書」に対する損保協会意見

<当協会意見概要>

  • 本文書は事例やケーススタディ等を提供し、各国の現行監督規制に新たな要件を求めたりするものではないことを再確認する。
  • プロポーショナリティに言及するよう求める。
  • “should”を”may”とするなど、規範的すぎる表現の修正を求める。

 IAISは、今回の市中協議に寄せられた意見を参考にさらなる検討を進め、年内を目途に内容を固める予定です。

 当協会は、IAISにおける国際保険監督基準策定の議論に積極的に参加しており、今後も関係国際機関等に対して本邦業界の意見を表明していきます。

(※1)保険監督者国際機構(IAIS)の概要

1994年に設立され、世界約150カ国・地域の保険監督当局(メンバー)で構成。主な活動は以下のとおり。

  • 1)保険監督当局間の協力の促進
  • 2)保険監督・規制に関する国際基準の策定および導入促進
  • 3)メンバー国への教育訓練の実施
  • 4)金融セクターの他業種の規制者等との協力

※日本からはメンバーとして金融庁が参加しており、当協会もステークホルダーとして積極的に関与する方針を掲げている。

(※2)適用文書(アプリケーション・ペーパー)

IAISが作成する文書の一類型。IAISの監督文書(ICP、ComFrame等)の特定のテーマにおいて、原則や基準の一律な解釈や適用が難しい場合に、事例やケーススタディを提供することを目的に作成される文書。助言や具体例、推奨、事例などを含む。

本市中協議文書(原文)は、こちら(※) でご覧いただけます。

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