自賠責保険の運用益を活用して
自動車事故の被害者・事故防止事業を支援します
〜2011年度自賠責運用益拠出事業を決定〜
【No.10-026】
(2011.2.17)

 社団法人 日本損害保険協会(会長 鈴木 久仁)では、各損害保険会社から拠出される自動車損害賠償責任保険の運用益を活用して、1971年(昭和46年)から自動車事故の被害者・事故防止事業を支援しています。

 2月17日(木)に開催した当協会の理事会において、2011年度は新規5事業を含めた全35事業に対して、総額21億7,775 万1千円の支援を行うことを決定しました。
救急医向けの外傷診療研修会の様子。年間約1,000名が受講している。
救急医向けの外傷診療研修会の様子。年間約1,000名が受講している。

2011年度自賠責運用益拠出事業(総額21億7,775万1千円)の内訳

○自動車事故防止対策   :  122,500千円
○救急医療体制の整備   :  742,406千円
○自動車事故被害者支援 : 1,068,335千円
○後遺障害認定対策    :    70,000千円
○医療費支払適正化対策 :  174,510 千円

2011年度自賠責運用益拠出事業(一覧表)

2011 年度新規事業

1.社会資源マップの作成(千葉リハビリテーションセンター 他)

 高次脳機能障害者が利用できる社会資源等の情報について、全国的に実態調査を実施し、ライフステージやライフスタイル別に支援情報をまとめた「社会資源マップ」を作成し、WEBで公表するものです。単なる情報の整理に留まらず、全国の支援体制の充実度を俯瞰することも可能となり、支援のさらなる充実につながることが期待されます。

2.免許取得前の若者に対する交通マナーの教育普及((財)日本交通安全教育普及協会)

 免許取得前の若者に対して、交通事故の悲惨さを認識させ、歩行者・自転車・自動車それぞれの視点での道路利用におけるマナーの普及、安全意識や態度を醸成するための「心の教育」を実施しようとするものです。必要な教材を開発し、高校、大学や自動車教習所等でモデル事業を実施することにより、若年層の交通事故防止につながることが期待されます。

3.脊髄損傷に関するデータベース構築((独)労働者健康福祉機構 総合せき損センター 他)

 脊髄損傷治療例を蓄積し、データベース構築することで、合理的な診断法を確立・普及し、治療(リハビリテーション)の標準化を行おうとするものです。全国のどの医療機関でも、効率的かつ効果的な治療を受けることが可能となり、治療成果の向上が期待されます。

4.交通安全のための街づくりに関する研究((社)日本都市計画学会)

 高齢運転者による事故を抜本的に削減するために、都市政策の観点からアプローチしようとするものです。地方自治体が策定する都市計画に盛り込むべき交通安全施策を検討し、高齢者社会における交通安全のための街づくり像を示すことで、交通事故防止につながることが期待されます。

5.疾病等起因事故の調査研究((社)日本交通科学協議会)

 現在の交通統計上では把握できていない疾病等を原因とする事故について、全国の救命救急センター等の医療機関において実態調査を行います。全国での大規模な調査は初の試みです。さらに、医学・工学の両面で予防策などを検討することで、交通事故削減につながることが期待されます。

自賠責保険の運用益を活用した事業とは?

■保険料の収入から保険金の支払いまでにタイムラグがあることから、その間に生じた利息(運用益)については、ノーロス・ノープロフィットの原則から、その全額を準備金として積み立てることが義務付けられています。
■この運用益の使途については、将来の自賠責保険の収支改善のための財源とするほか、自動車事故防止対策、救急医療体制の整備、自動車事故被害者対策等に必要な費用など、被害者保護の増進に資する施策に活用することができるとされています。
■このように、自賠責保険は、交通事故の被害者に保険金をお支払する役割だけでなく、お預かりした保険料の運用益を活用して、交通事故被害者支援事業や交通事故防止事業などの様々な事業を支援する役割も担っています。

自賠責運用益拠出事業の決定プロセスは?

■自賠責運用益拠出事業の決定プロセスは以下のとおりです。なお、1月14日(金)開催の自動車損害賠償責任保険審議会(金融庁)へ報告しています。
  ▼12月22日(水)自賠責運用益使途選定委員会※において審議
   ※損保協会長の諮問機関。自賠責保険審議会の学識経験者、有識者委員等で構成。
  ▼ 2月17日(木)損保協会理事会で決定

本年度の自賠責運用益使途選定委員会の議事概要および名簿