社会が抱えるリスクの削減に向けて
「自動車保険データにみる交通事故の実態 −提言と主な対策−」(2009年4月〜2010年3月)を作成しました
【No.11-012】
(2011.6.2)

 社団法人日本損害保険協会(会長 鈴木 久仁)では、交通事故を経済的損失の観点から捉えた報告書「自動車保険データにみる交通事故の実態」を作成しました。

1.本報告書の目的   

 東日本大震災では、これまでの想定を超えた災害に見舞われました。このように、社会が抱えるリスクへの備えに充分というものはなく、常にリスクを再評価し、必要な対策を検討していく必要があります。
 交通事故についても例外ではありません。交通事故の死者数は、10年連続減少していますが、毎年5千人もの死者を出すという実態は、決して小さいリスクとは言えません。
 損保協会では、交通事故の削減に向け、交通安全の啓発活動や政策提言を行っています。その一環として、本報告書では、交通事故に起因して直接的に発生する自動車保険の保険金データを分析することで浮き彫りとなった交通事故の実態を解説し、交通事故のリスク削減のための提言を発信しています。

2.本報告書における提言

提言1
交通事故による死亡者が減る一方で後遺障害者数は増加しており、交通事故による社会的コストは年間3兆2,069億円と、依然として高水準である。交通事故による社会的コストを削減するためには、後遺障害への軽減対策も必要である。

提言2
高齢運転者の交通事故による経済的損失額が急増している。高齢者に対する交 通安全対策は、歩行者としての視点に加え、運転者としての対策が必要である。

提言3
受傷部位では、受傷者数の多い頸部・頭顔部に加え、重症化しやすい腹部への 対策が必要である。乗車中の腹部受傷の危険を回避するためには、適切にシートベルトを着用することが重要である。

提言4
構築物衝突による車両単独事故は、事故件数が減少している一方で、損害物数 が全年齢で増加しており、対策が必要である。

提言5
16〜19才の若年層は、免許保有者1万人当たりの人身事故被害者数が最も高 い。その事故類型は、スピードの出しすぎによる追突の割合が高く、運転者の責任や交通マナーについて理解を深める教育が必要である。

3.掲載データの一部ご紹介

(1)交通事故による経済的損失額は3兆2,069億円


2009年度の交通事故による「経済的損失額」は3兆2,069億円(物的損失額:1兆7,108億円、人身損失額:1兆4,961億円)と推計。 この額は、国民一人当たりに換算すると年間約25,000円と、非常に大きな社会的損失となっています。

(2)70才以上の高齢運転者の経済的損失額が急増


加害者年齢ごとに、免許保有者一万人当たりの経済的損失額をみてみると、60才以上、特に70才以上については著しく増加しています。

高齢の免許保有者も増加しているため、高齢運転者による経済的損失額は増加することが予想されます。

4.報告書の入手方法

 報告書は、下記リンク先からダウンロードすることができます。
 また、冊子の場合には、郵送料として140円分の郵便切手を同封し、「交通事故実態報告書2009」と明記のうえ、郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入して、下記のあて先にお申込みください。(無償配布)

【お申込み先】
 〒101-8335 東京都千代田区神田淡路町2-9
 社団法人 日本損害保険協会
 業務企画部 自動車・海上グループ「自動車保険データ係」
 TEL:03-3255-1943
 FAX:03-3255-5115
 E-mail:gyoki2@sonpo.or.jp