平成22年度 損保決算概況について
【No.11-017】
(2011.6.20)

 社団法人 日本損害保険協会(会長 鈴木 久仁)では、このほど協会加盟会社の平成22年度決算概況を次のとおり取りまとめました。

平成22年度決算のポイント

○ 正味収入保険料は平成21年度と同水準になりました。
○ 保険引受利益は東日本大震災の影響もあり過去最大の赤字額になりました。

平成22年度決算主要データ・ハイライト

○ 正味収入保険料6兆9,710億円≪対前年度比   △1億円(△0.0%)
○ 正味支払保険金4兆3,187億円≪対前年度比 △491億円(△1.1%)
 
○ 保険引受利益△1,832億円≪対前年度比 △2,375億円(△437.6%)
○ 利息及び配当金収入5,118億円≪対前年度比    100億円(   2.0%)
○ 有価証券売却益2,994億円≪対前年度比    765億円(   34.3%)
○ 経常利益2,344億円≪対前年度比 △1,162億円( △33.1%)
○ 当期純利益1,275億円≪対前年度比  △793億円( △38.4%)
 
○ 損害率67.5%≪前年度 68.1% 0.6ポイントダウン≫
○ 事業費率34.6%≪前年度 35.0% 0.4ポイントダウン≫
 
○ 総資産29兆6,733億円≪対前年度比 △1兆8,223億円( △5.8%)
○ 純資産4兆7,696億円≪対前年度比   △7,718億円(△13.9%)


平成22年度 損害保険会社決算概況

1.22年度決算の特徴点

 コンバインド・レシオ(損害率+事業費率)は21年度に比べ改善したものの100%を超えており、さらに、東日本大震災の保険金支払いに備え、支払備金の繰入を行ったため、保険引受利益は過去最大の赤字額となりました。
 資産運用は厳しい環境下でしたが利息及び配当金収入や有価証券売却益が増収となったことから、資産運用粗利益は21年度比で3割弱の増益となりました。
 その結果、保険引受利益の赤字を資産運用で賄い、経常利益および当期純利益を確保したものの21年度に比べて3割を超える減益となりました。

2.保険引受の概況

(1)正味収入保険料
 正味収入保険料は、自動車保険が料率改定により増収となったものの、火災保険の減収の影響もあり、全種目合計では21年度比1億円減収の6兆9,710億円となりました。
 *正味収入保険料=元受正味保険料+受再正味保険料−出再正味保険料

(2)正味支払保険金
 正味支払保険金は、自動車保険の支払い増加の傾向は続いているが、新種保険や火災保険の支払いが減少したことから21年度比△1.1%減の4兆3,187億円となりました。
 なお、3月に発生した東日本大震災について、22年度中にお客様にお支払できた保険金は限定的であり、23年度以降に支払いとなるものは支払備金(繰入)に計上しています。
 *正味支払保険金=元受正味保険金+受再正味保険金−回収再保険金
 損害率は、21年度に比べて新種保険等の支払いが減少したことから0.6ポイントダウンの67.5%となりました。

(3)保険引受に係る営業費及び一般管理費
 保険引受に係る営業費及び一般管理費は、システム関係費用の節減等に努めた結果、21年度比△2.3%減の1兆1,922億円となり、事業費率は0.4ポイントダウンの34.6%となりました。

(4)保険引受利益
 保険引受利益は、コンバインド・レシオが21年度に比べ1.0ポイント改善したものの102.1%と依然高水準であったことに加え、東日本大震災に関係する保険金支払に備える支払備金繰入負担が発生したため、保険引受利益を計上するようになってから最大の損失額△1,832億円となりました。
 *保険引受利益=保険引受収益−保険引受費用−保険引受に係る営業費及び一般管理費±その他収支

4.資産並びに資産運用の概況

 22年度末の総資産は、長期性資産の減少や東日本大震災直後の株価低迷の影響もあり21年度末より△5.8%減の29兆6,733億円となりました。
 また、純資産は「その他有価証券評価差額金」の減少により、21年度末より△13.9%減の4兆7,696億円となりました。

 資産運用については、資産運用収入の中核をなす利息及び配当金収入が、受取配当金の増収により21年度比2.0%増収の5,118億円となりました。また、株式の売却により有価証券売却益が3割以上増加したこともあり、資産運用粗利益は21年度比29.5%増益の4,812億円となりました。
 *資産運用粗利益=資産運用収益−資産運用費用

5.ソルベンシ−・マ−ジン比率

 ソルベンシー・マージン比率は、株式市況の低迷により純資産が減少したこともあり、21年度に比べて低下したものの、全社とも法律で求める適正な水準であり、健全性については問題ない状況です。