年頭所感

一般社団法人 日本損害保険協会
会長  二宮 雅也

(2014.1.1)

 あけましておめでとうございます。
 2014年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。

昨年の振り返り

会長 二宮 雅也

 2013年は、政府による金融政策・財政政策・成長戦略についてのいわゆる「三本の矢」の方針のもと、さまざまな政策が打ち出された結果、株価が大幅に上昇し、円高が是正され、景気回復の足音が少しずつ大きくなっていくことが実感できる年でありました。

 損害保険業界においても、2012年度決算、2013年度中間期決算ともに、市況の回復などによって、多くの会社が前年を上回る決算となりました。また、会員各社によって差異はあるものの、自動車保険収支も改善傾向が見られるようになってきました。

 しかしながら、中長期的な視野に立つと、少子高齢化の進行や人口減少社会の到来により、国内の損害保険マーケットを取り巻く環境は厳しく、今後も、損害保険事業が持続的に発展し、健全に成長するためには、社会情勢や国民のニーズの変化を的確に捉え、将来に向けた取組みを着実に実行していくことが必要であると認識しています。

本年の課題と取組み

 2014年は、損保協会の「第6次中期基本計画」を推し進める非常に重要な年であり、各課題に対しゴールを見据え、以下の取組みを実行します。

1.事故や災害、犯罪による社会的損失の低減 〜安全な社会の形成〜

(1)保険金詐欺や不正請求の防止に向けた取組み

 不正請求に関する業界共通データベースの整備や消費者啓発に向け、業界を挙げて、実効性のある取組みを検討し実行していきます。
 損保協会では、昨年1月に不正請求対策室を設置して以降、業界共通データベースの拡充を進めています。本年は、諸外国の先進事例を我が国で実行した場合の有効性検証を進めるとともに、損害保険会社における活用がさらに進むよう、仕組みの見直しなどを検討していきます。

(2)金融経済教育の推進

 消費者の皆さまが実生活で必要な保険やその必要額について理解を深めていただけるよう、損害保険に関する啓発活動を一層推進していきます。
 損保協会は「金融経済教育推進会議」に実施主体として参画しており、消費者の皆さまが備えるべきリテラシーを年齢層別に整理するとともに、損害保険の必要性をご理解いただくためのツールを提供しています。

2.損害保険のわかりやすさと安心感の向上の追求 〜安心して加入できる保険へ〜

(1)損害保険のわかりやすさの向上

 消費者の皆さまの利便性向上および代理店・会員各社の業務効率化のため、事務手続きやお客さまにご記入いただく書類などについて、ルールや様式の共通化・標準化を進めていきます。

(2)損害保険募集人の資質向上

 損害保険に対するお客さまの信頼を向上させるためには、保険募集を担っている損害保険募集人の資質向上は欠かせないものであり、本年も損害保険募集人の知識やスキルを高めるための取組みを推進していきます。
 損保協会では、昨年12月から、自動車・火災・傷害の各保険の「商品単位」試験に合格した者でなければ、当該種目の保険募集を行えないこととしました。また、損害保険募集人が一層のステップアップを目指す仕組みとして「損害保険大学課程」の認定制度を導入しています。

3.業界の持続的発展と健全な成長 〜将来に向けた取組み〜

 損害保険業界が、安心で安全な社会の実現に資する業界であり続けるために、我が国の損害保険事業や損害保険会社に影響を与える制度・規制に関して、積極的な意見表明や要望を行います。
 また、アジア新興国などにおける損害保険事業の持続的な発展と健全な成長を支援するための取組みを引き続き推進していきます。

おわりに

 損害保険は企業の事業活動を下支えするインフラであり、企業が成長に向けて設備投資を行い、リスクを取っていく過程では需要が高まります。
 我が国の経済が成長に向けて着実に前進できるよう、損害保険会社として、お客さまニーズに合致した保険商品やサービスの提供により一層努めてまいります。

 引き続き、皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げますとともに、本年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。