年頭所感

一般社団法人 日本損害保険協会
会長  櫻田  謙悟


(2015.1.1)

あけましておめでとうございます。
2015年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。

1.はじめに

会長  櫻田  謙悟

 我が国経済は、雇用・所得環境の改善傾向に加え、政府や日銀による各種政策効果や緩和的な金融環境を背景に、内需の緩やかな拡大が見込まれています。急激な円安の進行や原油価格の動向、地政学リスクなどへの注視が必要ではありますが、米国が牽引する海外経済の成長に伴う外需の緩やかな拡大や、第三の矢である成長戦略の着実な実行、および経済対策の効果も期待されることから、2015年は、前向きな経済の好循環が期待されるところです。

 一方、我が国は世界最速のスピードで超高齢社会へと本格的に進行することが見込まれており、中長期的には人口減少による潜在成長率への影響も想定されています。また、地球温暖化を原因とした気候変動の影響により、今後は、極端な降水が世界の多くの地域でより頻繁に生じる可能性が非常に高いと指摘されているなど、近年、世界各地で発生する大規模な自然災害は、いわゆる「ニューノーマル」ではないかと危惧する声も上がっています。

 損害保険業界は、リスクの専門家として、我が国の高齢社会への取組みが世界に誇れるモデルとなるよう、高齢者の生活の質の向上を後押しする新たな技術や新産業の発展に向けたさまざまな商品やサービスの提供などを通じ、我が国経済の好循環や持続的成長に貢献していきたいと考えています。また、自然災害への対応については、会員会社の知見を活かしながら、損害の軽減に向けた地域の防災・減災教育に積極的に取り組んでまいります。

2.本年の主な取組み

(1)中期基本計画

 2015年は、第6次中期基本計画(2012〜2014年度)の総仕上げ、および第7次中期基本計画(2015〜2017年度)のスタートが図られる大変重要な年になります。
 現在策定中の第7次中期基本計画では、安心・安全な社会づくりに向けて、5年・10年先の環境とそれが損害保険業界に与える影響とを見据えた重点課題骨子として、「超高齢社会への取組み」「グローバル化への取組み」「新たなリスクへの取組み」「自然災害への取組み」「保険犯罪への取組み」「新たな募集態勢の構築に向けた取組み」「消費者からの相談・苦情・紛争解決への取組み」「消費者教育の取組み」を決定しています。引き続き計画決定に向け、具体的な取組みの整理を加速するとともに、本年4月からの計画の着実な実行に取り組んでまいります。

(2)改正保険業法

 2016年5月29日までに施行される改正保険業法では、環境変化を踏まえた、より適切な保険募集・販売を促進するため、意向把握義務や保険募集人の体制整備義務などが導入されます。当局において細則となる府令や監督指針の改正作業が進められていますが、これら新設される義務に対し、保険募集品質の向上のため、損害保険業界として適切に対応できるよう準備を進めてまいります。

(3)国連防災世界会議

 2015年3月には、第3回国連防災世界会議が仙台市で開催されます。同会議では、日本をはじめ世界の防災に関するさまざまな最新の知見の発信が予定されており、損害保険協会は、「地震保険」と「防災教育」をテーマに、東日本大震災においても極めて有効に機能した日本の地震保険制度、および、地域の防災・減災取組みである「ぼうさい探検隊」を中心とした防災教育について、情報発信を予定しています。
 損害保険協会では、自然災害に対する防災・減災に関する今後の取組みとして、近年の自然災害の状況や、地理特性、インフラ環境などを踏まえ、地域ごとに災害の備えの提案をしていくなど、局地ごとに未経験の災害が起きる「ニューノーマル」に備えていきたいと考えています。

3.おわりに

 政府による日本再興戦略(改訂版)では、企業が収益性や生産性を一層高めるため、グローバルスタンダードとしてのコーポレートガバナンス強化が重要な柱として掲げられています。現在、コーポレートガバナンス・コードの策定に向けた検討が進められていますが、日本企業が、グローバルなマーケットで攻めに転じるためにも、ガバナンス強化が持続的な企業価値向上につながるよう、積極的に対応していく必要があると考えています。

 最後になりましたが、引き続き皆さまのご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げますとともに、本年が皆さまにとってすばらしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。


以 上

2015年 年頭所感(PDFファイル)