年頭所感

一般社団法人 日本損害保険協会
会長  鈴木 久仁


(2016.1.1)

 あけましておめでとうございます。
 2016年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。

1.はじめに

 我が国の経済は、企業収益の向上や所得・雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復基調にあると認識しております。米国の利上げによる各国経済への影響や原油価格の動向等、注視が必要な要素はあるものの、新年においては、好調な企業業績を起点とした投資の拡大、所得・消費の増加という経済の好循環がより一層力強いものとなることを期待しております。
 他方で、中長期的視点に立てば、我が国は、人口減少の進行や超高齢社会の到来など、多くの課題を有しております。また、昨年の台風15号や18号などに見られるとおり、自然災害の頻発化・大規模化も懸念されております。
 損害保険業界においては、我々を取り巻く環境の変化を的確に捉え、より良い保険商品・サービスを提供することなどを通じて、我が国経済の持続的な成長と国民生活の安心・安全に貢献できるよう、今後も引き続き、取り組んでまいります。

2.本年の取組みについて

 本年も引き続き、消費者の皆さまへ自助・共助の重要性を伝える取組みに関する課題である「自然災害への取組み」及び「消費者教育の取組み」を中心に、第7次中期基本計画を着実に進めてまいります。

(1)重点取組み

 東日本大震災から5年の節目を迎えるにあたり、当協会では、3月8日に、防災・減災をテーマとした大学生向けの特別講座・シンポジウムを東京にて開催いたします。この特別講座・シンポジウムを契機として、これからの社会を担う大学生に、巨大自然災害等のリスク認識や防災・減災意識を高めてもらい、自助・共助の重要性について学んでいただくとともに、今後、地域防災を担うリーダーとなっていただけるよう、取り組んでまいります。
 地震保険の更なる普及促進に向けては、昨年定めた重点取組み地域において、 地域住民を対象としたフォーラムイベントを進めてまいります。また、本年は、地震保険制度発足から50年を迎える年となります。東日本大震災発生時の対応が示すとおり、官民による再保険取引を活用した我が国の地震保険は、支払いの迅速性や制度の強靭性等において、世界的にも大変優れた制度であると言えます。この地震保険の有用性を国民の皆さまにご理解いただき、地震保険がより一層普及するよう、日本損害保険代理業協会等とも連携し、今後も積極的に取り組んでまいります。
 地域における防災・減災の取組みとして、2月から3月にかけて、京都府、和歌山県、広島県、徳島県、高知県にて地域住民の方々を対象として、各地で懸念される自然災害を踏まえた、啓発活動を実施してまいります。こうした活動を通じて、自助・共助意識を醸成し、災害発生時における社会的損失を少しでも軽減できるよう、取り組んでまいります。

(2)改正保険業法

 本年5月における、改正保険業法の施行に伴い、情報提供義務・意向把握義務等の保険募集に係る基本的ルールの創設が行われるとともに、適切な保険募集を行うための体制整備が募集代理店に求められます。当協会では、これまでに、「契約概要・注意喚起情報(重要事項)等に関するガイドライン」をはじめとした各種ガイドラインを改定し、会員各社を通じて周知するなど、法改正への対応を進めてまいりました。今後におきましても、保険業界の信頼性確保に向けて、万全の募集態勢を構築できるよう、取り組んでまいります。

3.おわりに

 昨年秋、政府は2020年頃に名目GDP600兆円を達成することなどを目標とした、いわゆる新・三本の矢を掲げました。政府が、我が国の持続的な成長に向けて、こうした明確な目標を打ち出したことは大変意義深いものであると認識しております。
 2016年は、様々な政策が実を結び、日本経済の成長への道筋が確かな年になるよう、損害保険業界も経済・社会の発展を支えるインフラとして、その役割を着実に果たしてまいります。
 引き続き、皆さまのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げますとともに、本年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。


以 上


2016年 年頭所感(PDFファイル)