自動運転

自動運転はここまできている

 近年、高齢者による交通事故、地方における移動手段不足、物流業における運転手不足といった社会的な課題の解決策として、「自動運転」が注目されています。2025年には、高速道路での完全自動運転を実現することを目標に、研究・開発が進められています。

 自動運転は、一般に「レベル0」から「レベル5」に分けられますが、現在、実用化されている「レベル1」と「レベル2」では、運転者による監視を前提として、一定の条件下で各種安全運転支援システムが機能し、運転者の安全運転をサポートします。

 損害保険業界としては、国内外の検討動向を注視しつつ、必要に応じて検討および意見等の発信をしながら、安全・安心で円滑な道路交通社会の実現に寄与していきます。

表画像01

※官民ITS構想・ロードマップ2018等を基に作成

安全運転支援システムのご紹介

 現在、次のような安全運転支援システムが実用化されています。システムは、運転者と共に周囲の障害物を監視し、追突や衝突の恐れがある場合に、運転者に警告を発したり、運転操作をアシストすることで、事故を未然に防ぐことが期待できます。

  システムの機能 作動しない場面(例)

衝突被害軽減制動制御装置
(衝突被害軽減ブレーキ・AEB)

前方の自動車や歩行者等を検知して、ドライバーにブレーキ操作を促すとともに、自動的にブレーキが作動する

×子供など背が低い

×暗闇にいる歩行者

×前方を横切る車両

×周囲の明るさが急激に変化するとき

×悪天候で視界が悪いとき

×カーブを走行するとき

車間距離制御装置(ACC)

先行車を認識すると、システムが速度調整を自動的に行い、先行車との車間距離を制御しながら追従走行する

×悪天候で視界が悪いとき

×車線が不明瞭なとき

×車線幅が極端に狭い(広い)

×前方から強い光を受けているとき

×雪道を走行しているとき

×分岐・合流路を走行しているとき

車線逸脱抑制装置等
(レーンキープアシスト・ふらつき警報)

車線からはみ出しそうになった場合に、ドライバーにハンドル操作を促したり、走行車線の中央付近を維持するようハンドル操作をアシストしたりする

ペダル踏み間違い時
加速抑制装置

発進時や低速走行時に、シフトレバーやアクセルペダルの誤操作によって衝突するおそれがある場合に、急加速・急発進を抑制する

×背の低い障害物

×幅の狭い障害物

×バンパーに非常に近い障害物

駐車支援装置

ドライバーにより設定された駐車枠に駐車するように自動でハンドル操作を行う

×砂利などの整備されていない路面

×傾斜、段差のある路面

×すべりやすい路面

×タイヤチェーンを装着しているとき

※作動しない場面には、メーカーや採用している検知方式等によって違いがあります。詳しくは、各メーカーの販売カタログ・取扱説明書・マニュアルをご確認ください。

安全運転支援システムを搭載している車であっても避けられない事故があります

 運転をサポートする便利な安全運転支援システムですが、障害物を物理的に検知しない場合など、「作動しない場面」では、安全運転支援システムの搭載車で想定外の出来事を経験するドライバーがいます。

 機能を過信せずに、安全運転を心がけましょう。

円グラフ01

円グラフ02

(安全運転支援システム搭載車を所有する19〜79歳の2,000人を対象としたアンケート結果。2017年8〜9月、国民生活センター調べ。)

保険会社に連絡があった安全運転支援システムの搭載車による事故例

 以下に記載の事故例は、保険契約者の連絡に基づく内容です。

<例1>

前方の車両を車線変更して追い抜き、元の車線に戻ったところ、追い越した車両のさらにその前方にいた車両との距離が近かったため、センサーが反応して衝突被害軽減ブレーキがかかり、追い抜いたばかりの後続車に追突されてしまった。

<例2>

衝突被害軽減ブレーキを搭載していたが、渋滞中にわき見をして、前の車に追突してしまった。(※走行速度が一定基準以下の低速である場合に、作動しないタイプの衝突被害軽減ブレーキであったため、システムが作動しなかったケース)

<例3>

衝突被害軽減ブレーキが付いているが、道路が凍結しており、滑ってしまい止まれなかった。

よくあるご質問

安全運転支援システムは、各自動車メーカーから色々な名称で販売されていますが、同じ機能ですか。

同じ機能であっても、例えば、衝突被害軽減ブレーキの場合、メーカーや仕様によって次のような違いなどがあります。また、天候などの条件によっても、制限があります。

  • (1)同じスピードで走ったときにシステムが作動してから止まるまでの制動距離の違い
  • (2)低速域で作動するもの・作動しないものの違い

関連リンク

JNCAP予防安全性能アセスメント結果

国土交通省と(独)自動車事故対策機構(NASVA)では、一部の安全運転支援システムについて、予防安全性能を評価するアセスメントを実施しています。

「安全運転支援システムの搭載車」って「自動運転」の車のことですか。安全運転支援システムの搭載車なら、ドライバーは運転操作しなくてもよいのですか。

現在実用化されているレベル2の車は、完全な自動運転ではなく、運転者が運転操作をするうえで、一定の条件で安全をサポートする機能が作動する車です。このため、運転者がハンドルを離せば、システムが停止するなど、運転者が運転操作をする前提の仕組みとなっています。

安全運転支援システムの搭載車はどのように見つければよいですか。

交通事故防止として推奨される車は、安全運転サポート車(セーフティ・サポートカーまたはセーフティ・サポートカーS)のロゴが目印となっています。
また、サポカーの安全運転支援システム以外にも、本ページでご紹介したシステムなど、次々と実用化されていますので、詳しくは、各メーカーにお問い合わせください。

安全運転支援システム搭載車は、保険料が割引かれるのですか。

安全運転支援システムのうち、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)は、一定の条件を満たす場合に、割引が適用されることがあります。
多くの保険会社が、次の条件を満たす場合に保険料の割引を適用しています。

  • 1.自家用普通乗用車・自家用小型乗用車
    • (1)メーカー標準装備またはメーカーオプションの衝突被害軽減ブレーキ(AEB)を装着していること。
    • (2)保険契約車両の型式の発売年月が「保険契約始期日の属する年から3年前の4月以降」であること。
  • 2.自家用軽四輪乗用車
    • メーカー標準装備またはメーカーオプションの衝突被害軽減ブレーキ(AEB)を装着していること。

安全運転支援システムが普及すれば、保険は加入しなくても大丈夫ですか。

自動運転の普及により事故の減少が期待されますが、現在普及が進んでいる安全運転支援システム搭載車でも、上記のとおり、事故は発生しています。このため、安全運転支援システムが普及したとしても、万一の事故の際の損害賠償に備えるため、また、搭乗者やご自身のお車を守るため、保険の加入が必要と考えられます。
自動運転のレベルがさらに高度化すれば、従来の自動車とは別のものとして捉え、法令等が抜本的に見直される可能性があります。損害保険業界では、これらの変化を見極め、必要な補償やサービスを提供することで、新技術普及をサポートします。

新設:2018.9.18 (経営企画部 企画グループ)