地震保険

2017年1月から地震保険の保険料率が改定されました。
あわせて損害区分の細分化や割引確認資料の拡大が行われました。

1. 地震保険の保険料率改定

(出典)地震調査研究推進本部HP

 政府の地震調査研究推進本部(以下「地震本部」といいます)が作成する「確率論的地震動予測地図」の震源モデルの見直し等に基づき、保険始期が2017年1月1日以降の地震保険について、保険料率が改定されました。

 今回の改定では、全国平均で5.1%の引上げとなりましたが、引上げ率・引下げ率は、都道府県や建物の構造ごとに異なります。(最大引上げ率は+14.7%、最大引下げ率は-15.3%)

 なお、上記震源モデルなどの更新により、地震保険の保険料は全国平均で大きく引上げが必要な状況でありますが、ご契約者の負担をおさえるため、3段階に分けて保険料率を改定することとなっており、今回の改定はその1段階目となります。

※2段階目以降の改定スケジュール・改定率は、今後の各種基礎データの更新などを踏まえて決定される予定であり、現時点では決まっていません。

改定前後の年間保険料例
*地震保険金額1000万円あたり(割引適用なしの場合)

都道府県 イ構造(注1) ロ構造(注1)
保険料 改定額 改定率 保険料 改定額 改定率
改定前
(注2)
改定後 改定前
(注2)
改定後
岩手、秋田、山形、
栃木、群馬、富山、
石川、福井、長野、
滋賀、鳥取、島根、
岡山、広島、山口、
福岡、佐賀、長崎、
熊本、鹿児島
6,500円 6,800円 +300円 +4.6% 10,600円 11,400円 +800円 +7.5%
福島 6,500円 7,400円 +900円 +13.8% 13,000円 14,900円 +1,900円 +14.6%
北海道、青森、新潟、
岐阜、京都、兵庫、
奈良
8,400円 8,100円 ▲300円 ▲3.6% 16,500円 15,300円 ▲1,200円 ▲7.3%
宮城、山梨、香川、
大分、宮崎、沖縄
8,400円 9,500円 +1,100円 +13.1% 16,500円 18,400円 +1,900円 +11.5%
愛媛 11,800円 12,000円 +200円 +1.7% 24,400円 23,800円 ▲600円 ▲2.5%
大阪 13,600円 13,200円 ▲400円 ▲2.9% 24,400円 23,800円 ▲600円 ▲2.5%
茨城 11,800円 13,500円 +1,700円 +14.4% 24,400円 27,900円 +3,500円 +14.3%
徳島、高知 11,800円 13,500円 +1,700円 +14.4% 27,900円 31,900円 +4,000円 +14.3%
埼玉 13,600円 15,600円 +2,000円 +14.7% 24,400円 27,900円 +3,500円 +14.3%
愛知、三重、和歌山 20,200円 17,100円 ▲3,100円 ▲15.3% 32,600円 28,900円 ▲3,700円 ▲11.3%
千葉、東京、
神奈川、静岡
20,200円 22,500円 +2,300円 +11.4% 32,600円 36,300円 +3,700円 +11.3%

(注1)イ構造:鉄骨造やコンクリート造の建物など

ロ構造:木造の建物など

(注2)「改定前」の保険料例は、保険始期が2014年7月1日以降2016年12月31日以前の地震保険契約の場合です。

今回の保険料率改定の背景

なぜ保険料が改定されたの?

地震保険の保険料率は、将来的な地震発生に伴う損害の危険(地震リスク)に基づき算出されています。今回の改定を行うことになった主な理由は3つあります。

1. 震源モデルの見直しをはじめとした各種基礎データの更新など(注)

2. 「地震保険に関する法律施行令」改正による損害区分の細分化(4区分化)

3. 財務省「地震保険制度に関するプロジェクトチーム・フォローアップ会合」での
議論のとりまとめ

(注)2014年12月に地震本部が公表した「確率論的地震動予測地図」において、震源データの追加・更新、地震の規模の見直し(最大マグニチュードの上昇)や、地盤データの見直し(揺れやすさの再評価)など震源モデルの見直しが行われました。

 詳しくは、損害保険料率算出機構のホームページ(2015年9月30日付ニュースリリース)(外部サイト)をご覧ください。

2. 損害区分の細分化(4区分化)

 地震保険では、保険金を迅速かつ公正にお支払いするため、保険の対象に生じた損害の程度に応じて損害区分を分け、各々の区分ごとに保険金額の一定割合をお支払いしています。

 今回、「地震保険に関する法律施行令」の改正により、保険始期が2017年1月1日以降の地震保険契約では、損害区分が、現行の3区分(全損・半損・一部損)の「半損」が2分割され、4区分(全損・大半損・小半損・一部損)となりました。

損害区分と保険金の支払割合

改定前(3区分)
損害の
程度
支払われる保険金
全損 地震保険金額の100%
(時価が限度)
半損 地震保険金額の50%
(時価の50%が限度)
一部損 地震保険金額の5%
(時価の5%が限度)
右向き矢印
改定後(4区分)
損害の
程度
保険金額
全損 地震保険金額の100%
(時価が限度)
大半損 地震保険金額の60%
(時価の60%が限度)
小半損 地震保険金額の30%
(時価の30%が限度)
一部損 地震保険金額の5%
(時価の5%が限度)

損害区分の認定基準(2017年1月1日以降始期契約の場合)

損害の
程度

損害の状況

支払われる保険金

建物

家財

全損

基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の50%以上

家財の損害額が家財の時価の80%以上

地震保険金額の100%
(時価が限度)

焼失・流失した部分の床面積が建物の延床面積の70%以上

大半損

基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の40%以上50%未満

家財の損害額が家財の時価の60%以上80%未満

地震保険金額の60%
(時価の60%が限度)

焼失・流失した部分の床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満

小半損

基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の20%以上40%未満

家財の損害額が家財の時価の30%以上60%未満

地震保険金額の30%
(時価の30%が限度)

焼失・流失した部分の床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満

一部損

基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の3%以上20%未満

家財の損害額が家財の時価の10%以上30%未満

地震保険金額の5%
(時価の5%が限度)

全損・大半損・小半損に至らない建物が床上浸水(または地盤面から45cmを超える浸水)

※地震保険の損害認定処理を迅速・的確・公平に行うために、損保協会が制定した「地震保険損害認定基準」にしたがって認定しています(国が定める「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」とは異なります。)。

なぜ損害区分が細分化されるの?

財務省の「地震保険に関するプロジェクトチーム・フォローアップ会合」における議論(損害査定の迅速性を確保しつつ、より損害の実態に照らした損害区分とすることが望ましい)を踏まえ細分化が行われました。
※同会合における議論の取りまとめの概要は、こちら(外部サイト)をご参照ください。

3. 割引確認資料の拡大

地震保険には、建物の免震・耐震性能や建築年月に応じた保険料の割引制度があり、割引の適用条件を満たすことが確認できる所定の確認資料をご提出いただいた場合、割引を適用できます。

保険始期が2017年1月1日以降の地震保険契約から、免震建築物割引および耐震等級割引、建築年割引の確認資料の範囲が拡大されました。

割引確認資料の詳細につきましては、損害保険代理店もしくは損害保険会社にお問い合わせください。

改定対象となる
地震保険割引

改定内容

免震建築物割引
および
耐震等級割引

登録住宅性能評価機関(注)が作成した資料において、対象建物の耐震等級、または対象建物が免震建築物であることを証明した書類であれば、確認資料とすることができるようになります。
(従来は「建設住宅性能評価書」などの特定の書類に限られていました。)

耐震等級割引

「住宅性能証明書」等の耐震等級を一つに特定できない書類であっても、「設計内容証明書」などの登録住宅性能評価機関(注)への届出書類で耐震等級が確認できる場合、その耐震等級を適用できるようになります。
(従来は、耐震等級2または3であることが確認できるものの、耐震等級を一つに特定できない確認資料の場合、耐震等級2を適用していました。)

建築年割引

建築年割引の記載がある保険証券等を確認資料とする場合、新築年月の記載を必要とする要件を廃止します。

(注)登録住宅性能評価機関により作成される書類と同一の書類を登録住宅性能評価機関以外のものが作成し交付することを認める旨、行政機関により公表されている場合は、そのものを含みます。

「地震保険の割引制度について」(PDFファイル)

新設:2017.3.29 (業務企画部 地震・火災・新種グループ)