「交差点の危険フォーラム」各報告書

当協会では、2008年10月31日(金)に福岡市で「交差点の危険フォーラムin福岡」、2007年7月31日(火)に名古屋市で「交差点の危険フォーラムin愛知」、2006年10月25日(水)に神戸市で「交差点の危険フォーラムin兵庫」を開催しました。
各フォーラムの内容を取りまとめた報告書を作成しましたので、ご覧ください。

なお、これらの報告書はPDFファイルのみでの提供となりますので、このページ最下部の「関連リンク」からダウンロードしてご利用ください。

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所轄部署

〒101-8335 東京都千代田区神田淡路町2-9
一般社団法人 日本損害保険協会
業務企画部 防災・安全グループ
TEL:03-3255-1294
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E-mail:ansui@sonpo.or.jp

「交差点の危険フォーラムin福岡」報告書のポイント(敬称略)

講演「福岡県の交通事故の現状と対策」

  • 福岡県の昨年の人身事故発生件数は全国ワースト5位、死者数はワースト9位、負傷者数はワースト4位であった。警察は交通指導取り締まり強化、街頭における指導警告強化、交通安全教育の充実、交通管理の4つの方針のもと、さまざまな取組みを推進しているが、交通安全は警察だけでは達成できるものではない。交通ルールをしっかり守り、交通弱者を守る思いやりを持つことが、事故の無い交通社会への実現へとつながる。 (福岡県警察本部交通部交通企画課管理官:高山 勲)

対談「日本損害保険協会の『事故多発交差点』への取組み

  • 損保協会は、交通事故の防止に向けてさまざまな取組みを行っており、交差点事故防止の活動もそのひとつである。

  • このたび公開したウェブサイト「全国交通事故多発交差点マップ」では、全国47都道府県の2007年人身事故件数ワースト5の交差点を掲載している。事故の特徴や注意点を詳しく紹介しているので、個人での活用のほか、地域や企業の交通安全活動などに役立てて欲しい。

  • 協会の報告をきっかけに、信号制御の改良や誘導線の引き直しなど、各地で実際の交差点改善対策が行われた事例もある。交通事故をなくすことは損保業界全体の思いであり使命でもあるので、思いやりや助け合いの心を皆が持ち、安全安心な社会へ少しでも近づくことを願う。(日本損害保険協会生活サービス部安全安心推進グループ課長:保泉 彰 聞き手:フリーアナウンサー 林田 スマ)

「交差点の危険」情報の活用方法を考えるミーティング

  • 西日本鉄道株式会社では、小グループで事故の原因と対策を話し合う「完全輸送運動」に1969年から取り組んでおり、事故はかなり減った。現在は、スロー(安全速度の徹底)、ストップ(信号の順守の励行)、スムース(滑らかな運転操作)の3S運動を行っている。

  • 損保協会のウェブサイトでは、その交差点がなぜ危険なのかがわかりやすく、地図や画像もあるので感覚的に理解できる。職場での討議の材料にしたり、長距離ドライバーの事前研修に役立てたい。

  • 交通事故をなくすためのメッセージとして、当社の教習などで常に言っている「確認・判断・操作」をあげたい。(西日本鉄道株式会社自動車事業本部営業部長:清水 信彦)

  • 国土交通省では、警察、地域の利用者とともに実際に現場を見て、それぞれの立場から意見を出し合い交差点対策を進めている。

  • 自動車教習所などでこれから運転免許を取る人に、損保協会のウェブサイトや冊子を紹介すると効果が高いのではないか。

  • 交通事故をなくすためのメッセージとして「対策・マナー・余裕」をあげたい。心に余裕を持って、マナーを守った運転を。それでも交通事故が多く起こると考えられるときは対策が必要といえる。(国土交通省九州地方整備局道路部道路情報管理官:児玉 敏幸)

  • 天神地区を運転していると、赤信号で突入してくる自転車などが多くて焦ることがある。落ち着いた運転をしたいが、交通量が多い交差点は怖いと感じる。

  • 損保協会のウェブサイトは、イメージがわくので使いやすいと思う。通勤・通学時の安全教育など、学校で活用してほしい。

  • 交通事故をなくすためのメッセージとして、「思いやり運転!!」をあげたい。個人の勝手な思いが事故を招くので、思いやりとゆとりを持って運転してほしい。(元福岡県警察 女子柔道シドニー五輪銅メダリスト:日下部 基栄)

  • 道路はすべての人の共通財産であり、思いやりを持って道路を使うためにはマナーと余裕が重要である。そのうえで、ドライバーなどが判断に迷う交差点は改善が必要といえる。事故を減らすために、皆で取り組んでいこう。(進行役:日本損害保険協会生活サービス部部長 田和 淳一)

※本フォーラムの開催に先立ち、福岡県内で実際に事故多発交差点を通行している方を対象としたインターネットアンケート調査を行いました。アンケート調査の概要(PDFファイル)は、このページ下部の「関連リンク」からご覧いただけます。

「交差点の危険フォーラムin愛知」報告書のポイント(敬称略)

現状報告「愛知県の交通事故の現状と対策」

  • 愛知県は都道府県別交通事故死者数で2年連続全国ワースト1位である。ワースト1位返上への対策として、愛知県では「無事故・無違反ラリー2007」など12の新規事業を展開している。1件でも悲惨な事故を減らすために、一人ひとりの協力をお願いしたい。(愛知県 県民生活部地域安全課長:永津 明雄)

対談「映画『0(ゼロ)からの風』を通じた事故防止への願い」

  • この映画「0からの風」を撮るには、企業や団体、個人からの寄付金や協賛金で制作するということから資金面でも多くの苦労があったが、全国各地で上映希望をいただいている。撮影スタッフ全員に「誰か一人でも事故を起こしたらこの映画の制作は中止する」と宣言して、相当の覚悟をもって臨んだ。この映画では飲酒運転・無灯火・スピード違反等を原因とした悲惨な交通事故を題材としているが、伝えたかったのは「子どもを愛する思い」や「親子の絆の強さ」。五感を通して痛みを共有できる映画だと思うので、これからハンドルを握るであろう高校生や大学生に、特に見てもらいたい。(映画監督:塩屋 俊)

パネルディスカッション「交差事故をどう減らすか ――交通事故死『ストップ・ザ・ワースト』実現に向けて」

  • 基本となるのは「歩車分離」で、信号制御により車と歩行者が同時に交差点に存在することがないようにすべき。ただし、交通事故対策とあわせてドライバーの意識が大切なことには変わりはない。(名古屋工業大学大学院教授:藤田 素弘)

  • 交差点内での違法駐車や、信号の変わり目での無理な進入には怒りを覚える。道路インフラの整備とともに、社会全体で渋滞を減らす工夫も必要になると思う。また一方で、安全運転への継続的な啓発や意識付けが重要で、愛知県にはそうした取組みの先進地になってほしい。(映画監督:塩屋 俊)

  • 子どもは左右を見ようとして車道に近づきやすいので、自分の子どもには2、3歩下がるように言っている。運転者としてみると、自転車の交通違反や飛び出しが危ないと感じるので、自転車も遵法精神をもって運転してほしい。(フリーアナウンサー:平野 裕加里)

  • 道幅の広い交差点では事故が起きやすいので注意が必要だ。無事故無違反のプロドライバーの多くは、家族や愛する人の存在が安全運転意識につながっていると答えている。「誰かを思う気持ち」が大事。(日本損害保険協会:田和 淳一)

  • 交差点は、いろいろな注意力や判断力を瞬時かつ同時に要求される場所。ドライバーだけでなく、自転車にも同様のことがいえる。どんなにインフラ整備をしても、それを守るのはあくまで「人間」であり、「車」を悪者にしないよう自分たちが努力していかなくてはいけない。(中日新聞論説委員:飯尾 歩)

※本フォーラムの開催に先立ち、愛知県内で実際に事故多発交差点を通行している方を対象としたインターネットアンケート調査を行いました。アンケート調査の概要(PDFファイル)は、このページ下部の「関連リンク」からご覧いただけます。

「交差点の危険フォーラムin兵庫」報告書のポイント(敬称略)

対談「21世紀の正しい運転と事故防止について」

  • テクノロジーの進歩に伴って、これまで正しいと思っていた運転技術が必ずしもそうでなくなっていることに気づかされた。(タレント:田中 さなえ)

  • 技術の進歩とあわせて、ドライバーには「先読み」を心がけてほしい。「うまいドライバー」とは、たとえ失敗しても事故にならない運転をできる人だと思う。シートベルトを忘れず、余裕を持って他人を助けてあげられるような運転を心がけてほしい。(モータージャーナリスト:菰田 潔))

パネルディスカッション「交差点での事故をなくすために ~安全・安心な地域社会に向けて~」

  • 運転が上手な人ほど、「優しい運転」をしてほしい。道路環境を良くし、ドライバーと歩行者の意識を高めて共存を考えたい。(モータージャーナリスト:菰田 潔)

  • 我々の活動は、立て看板の設置やチラシ・グッズの配布などで安全意識の普及に努めること。地道な活動だが、交通事故がなくなることを願いながら続けていきたい。(垂水交通安全協会婦人部:恩藤 恵子)

  • 車と人が共存していくためには、初心に戻ることも大事。「交差点の危険」などの冊子を通じて、広く事故の原因や対策等注意喚起をしていきたい。(日本損害保険協会:田和 淳一)

  • 安全対策とその結果の検証を段階的に進められる体制を整えていきたい。また、地域でできることからはじめ、足りない部分は行政に依頼するなどして、官民学が一体となって取り組めるよう尽力していきたい。(大阪市立大学:日野 泰雄)

  • 押しつけの教育ではなく「見つける、考える」教育が、ドライバーにも生活者にも必要と感じた。物理的な安全対策も必要だが、加えて一人ひとりができることから始めることで、地域の安全対策も深まる。(神戸新聞社:慶山 充夫)

更新:2016.11.22 (業務企画部 防災・安全グループ)