早稲田大学 災害ボランティア研究会等と共催した防災イベントで、地域の自然災害リスクを把握することの重要性を伝えました!

日本損害保険協会(会長:舩曵 真一郎)は、早稲田大学 災害ボランティア研究会および気象・防災稲門会と連携して、3月19日(土)にオンライン防災イベント『早稲田大学地域防災の集い』を開催しました。

本イベントでは、学問やボランティア等で防災に関わる早稲田大学および香川大学の学生が参加し、ハザードマップ等によって地域の災害リスクを把握することの重要性を伝えるとともに、地域の防災力を高める具体的な取組みとして、日本損害保険協会の「ぼうさい探検隊」の事例を紹介しました。

「早稲田大学 地域防災の集い」 イベント開催概要

日時
開催方法
主催
共催
参加者数

① 開会挨拶
挨拶者:佐々木 俊介 氏(早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター講師)

<挨拶概要>

  • 本イベントでは、早稲田大学の学生のみならず、香川大学の学生にも参加いただき、貴重な機会である。地域防災というテーマを通じて、ともに勉強するとともに、大学間の交流を図っていきたい。

② 講演1『地域の災害リスクの把握の重要性』
講演者:竹 順哉 氏(気象・防災稲門会会長)

<講演概要>

  • 大雨によって、「外水氾濫」「内水氾濫」「土砂災害」といった被害が引き起こされるが、場所によってこうした被害のリスクが異なるため、自分が生活する地域のリスクを把握することが重要である。
  • 平成30年7月豪雨では、倉敷市真備町において、ハザードマップの洪水浸水区域と実際の浸水範囲がほぼ一致してしていたのにも関わらず、51名の方が亡くなった。ある研究によれば、ハザードマップの存在を知っていても内容を理解している人が少なく、洪水の可能性がある低地居住者の7割が危険性を楽観していたことが示唆されている。そのため、ハザードマップ等によって地域のリスクを把握し、避難行動の在り方を理解することが重要である。
  • 水災害では在宅高齢者の被害が多く、こうした懸念も踏まえ、住民と行政がともに防災に向き合う必要があると考える。また、地域のつながりが避難に結びついた事例も、今後の参考となる。

③ 講演2『ぼうさい探検隊の取組みについて』
講演者:杓子尾 駿(日本損害保険協会防災・安全グループ係長)

<講演概要>

  • 自然災害は突然起こるものの、頻度が低く、自ら意識を高めていくのは難しいため、平時の防災教育が重要であると考えている。
  • 日本損害保険協会が2003年から提供している防災教育プログラム「ぼうさい探検隊」は、まち歩きと危険箇所などを示したマップ作りを通じて、子どもから大人に・大人から地域に防災意識を波及させることを志向している。毎年実施するマップコンクールでは累計約21万2千人の小学生が参加している。マップの内容が行政に伝わり、地域のハードが改善された事例もある。また、東日本大震災の被災地域では、この取組みが役立った事例もあった。
  • 近年は、専用タブレットでマップ作成をできるようにしており、防災の担い手育成として、2021年6月に香川大学の学生を対象に実施した。

講演者:大宿 陽輝 氏(香川大学創造工学部防災危機管理コース2年生)

<講演概要>

  • 大学では防災について専攻しており、2021年6月に自大学(香川大学)で実施した「ぼうさい探検隊」に参加して実際にまち歩きをしてみると、「高松ってこんな危険なところがあったんだ」と、机上では分からない町の危険性を理解することができた。
  • 専用タブレットを使用することで、即座に地図に書き込みができると同時に、防災に親しみを持って取り組むことができた。一方で、メンバーで地図を囲んで話し合う時間も重要であり、デジタルとアナログの兼ね合いを持って取り組むことも必要だと感じた。また、「ぼうさい探検隊」の取組みを通じて作成された各地域の防災マップが広く共有されれば、さらに地域防災力の向上につながると感じた。
  • 今後、大学生などが「ぼうさい探検隊」を実施する際は、「①行政等の防災情報との比較検討を行うこと」や「②楽しみながら地域の好きなところも発見すること」を大事にしてほしい。

 

その他、当日参加した学生から、防災に関する率直な質問や意見が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
  • 防災にもDXを取り入れていけば、より効果的な施策につながるのではないか。
  • SDGs等の社会貢献の概念が広がる中、各企業に対して、さらに防災の協力を得られるのではないか。
  • 防災分野がさらに発展するためには、市場原理をさらに活用する必要があるのではないか。
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