プロジェクトストーリー|一般社団法人日本損害保険協会 Recruiting Site
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PROJECT STORY

プロジェクトストーリー

「自賠責保険の引受・契約管理業務
の改善」プロジェクト

対面‧現金払いが原則だった自賠責保険の「当たり前」を変える。コロナ禍を機に、
キャッシュレス化やWeb手続きの実現に挑んだ大規模プロジェクト。
法令の壁を乗り越え、新たな仕組みを作った職員たちの軌跡を追う。

Projrct flow

プロジェクトの流れ

課題発見
プロジェクト発足
目標の明確化
RFI
RFP
システム開発
システムリリース
一部目標の達成
(プロジェクト継続中)

Member

メンバー

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プロジェクトリーダー

T.S
2006年入社

業務企画部
自動車・海上グループ

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ビジネス部門担当者

F.E
2019年入社

経営企画部
調査グループ

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浮き彫りになった課題と、
プロジェクトの始まり

私は2006年に新卒で損保協会に入社し、現在は業務企画部自動車・海上グループに所属しています。私たちのグループは、自動車保険や自賠責保険、海上保険といった商品に関する制度設計やシステムの開発・運用を所管しています。「自賠責保険の引受・契約管理業務の改善」プロジェクトでは、私はプロジェクトリーダーとして全体をマネジメントする役割を担っていました。

私は2019年に同じく新卒で入社しました。現在は経営企画部調査グループにいますが、2024年度までは業務企画部自動車・海上グループにおり、このプロジェクトにはビジネス部門担当者という立場で参画していました。現在所属している経営企画部調査グループは、会員各社の財務・経理に関する公表資料作成、税制に関する要望活動などを行っています。

このプロジェクトが発足した大きな背景は、新型コロナウイルスの蔓延でしたね。当時、新型コロナの影響で様々な見直しが進められていたんです。

そうですね。自賠責保険は、自動車損害賠償保障法という法律を根拠に制度が作られており、法令上、対面での手続きが原則で、キャッシュレスも想定されていませんでした。現金のみでの支払いを想定した制度になっていたんです。

しかし、コロナ禍をきっかけに「非対面で手続きができないか」「事務作業を効率化できないか」というニーズが非常に高まったんですよね。もともと非対面やキャッシュレスに対応できないという課題は認識されていましたが、コロナ禍を機に「速やかに課題を解決する」という共通認識が業界全体で生まれました。

そこで、単なる事務効率化だけでなく、キャッシュレス決済の導入や、契約内容の変更・解約手続きのウェブ化、自賠責保険証明書のPDFデータ化など、お客さまの利便性向上に向けて、これまでの課題を共同システムの構築により一挙に解決しよう、という話になったんです。

そうです。そして、現状と目指すべき姿の間に様々な課題がありましたが、その解決のためにまずは「法令上の課題をクリアにする」という、事業者団体ならではのアプローチから、このプロジェクトはスタートしましたね。ちなみに、私たち二人とも、この規模のシステム開発に最初から深く関わるのは初めてでした。プロジェクトは、損保協会職員に加えて損保会社から出向者も迎えてチームを構成し、協会内のIT部門の方々と協力して進めていきました。

私はプロジェクト発足から約半年ほど経過したタイミングで、目的の達成に向けた課題を整理するフェーズから関わりました。自賠責保険の契約締結に至るまで、そして契約後から満期・解約等までの業務フローを書き出し、理想像とのギャップから、取り組むべき課題を明確にしていくプロセスです。

私はRFP(提案依頼書)の作成段階からですね。我々の実現したいことをベンダーに伝えるRFI(情報提供依頼書)と、実際に開発してもらう候補ベンダーに対して提案依頼を行うRFPを通じて、具体的な提案へと進んでいきました。

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「合意形成」と「法令改正」、二重の壁を突破するために

この大規模なプロジェクトで一番大変だったのは、やはり多岐にわたるステークホルダーとの合意形成でした。共同システムなので、開発するシステムを利用する11社の損保会社等すべてから合意を得る必要があったんです。

法令に基づく運用のもと、各社それぞれのシステムや事務フローがあるので、既存の運用との親和性などから、各社の間で意見が食い違うことも少なくありませんでした。それらを一つ一つまとめていくことが大変でした。それぞれの意見の背景をある程度理解した上で、どこで折り合いをつけるかを探る必要がありました。

加えて、先ほどもお話しましたが自賠責保険に関する手続きは法令等に基づいているので、自動車損害賠償保障法を所管する省庁との折衝、さらに自動車関連団体への事前説明も必要でした。関連団体の方々からは、現在の運用を変更することに対する懸念の声が寄せられることもありました。

そういった省庁や関連団体との調整と、システム開発のスケジュールが噛み合わないということもありました。法令改正等の調整と並行してシステム開発を進めることの難しさを感じました。

何よりも「やり遂げなければならない」という共通認識があったからこそ、困難な局面でも立ち止まらずに進められました。結果的に、システム開発着手からリリースまで想定どおりのスケジュールで進んだのは、奇跡的だと感じています。トラブルも発生し、業務量が増え、夜遅くまで対応した時期もありましたが、チームで乗り越えることができました。

多くのステークホルダーと接するうえで、心がけていたことが二つあります。一つは、私たちが伝えたいことや質問されたことだけを説明するのではなく、相手の立場にたって、システムを作らなければいけない理由や背景、そして、相手が知りたいであろう関連情報も先回りして説明することを意識しました。二つ目に、意見が対立している場面では、どちらが正しいのかではなく、異なる案を複数提示し、両者が妥協できるポイントを探るようにしていました。多くの準備が必要で大変でしたが、「自らプロジェクトを前に進められた」というやりがいに繋がりました。

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自賠責共同システムが切り拓く未来と、私たちからのメッセージ

システム開発がもたらした大きな成果としては、まずキャッシュレス決済(クレジットカード払い)に対応できるようになったことですね。これまで現金払いのみでしたが、大きく変わりました。

そして、契約内容の変更・解約手続きが、損保代理店等に行かなくてもウェブ上でできるようになりました。

自賠責証明書も、PDFデータでの運用が可能になり、契約者の利便性が向上しました。さらに、国土交通省や、自賠責保険の運営に関わっている団体との法令に基づく情報連携が効率化し、業界全体の業務改善にも貢献しています。

本当にそうですね。まさに「社会の仕組みを変える」ような、公共性の高い大きな仕事に携われたと感じています。

これまでの対面・紙前提の運用を全く別のものに置き換え、目に見える形で成果を出せたことに大きなやりがいを感じています。関係者と意見をぶつけ合いながらも、最終的にリリースを迎えられた時の達成感は格別でしたね。

システムをリリースし、一部の目標が達成された時は、本当に苦労が報われたなと思いました。

システムは今後も定期的にアップデートが必要です。最終的には自賠責証明書の完全電子化を目指しており、そのためにはさらなる法令改正・規定整備が必要になります。これは段階的に進めていく、息の長いプロジェクトです。私個人としては、プロジェクトメンバーが変わっても成果を出し続けられるようなチーム作りや、ビジネス側からもしっかりと判断できるような専門性を高めていきたいと考えています。

私は、現在は直接システム開発に携わる部署ではありませんが、今回の経験で得た「効率化を考える視点」や「プロジェクトを進めるノウハウ」を、他の業務でも活かしていきたいと考えています。

損保協会の仕事は、時に厳しい局面もありますが、行政や会員会社の方々と議論し、業界全体の合意形成を図りながら物事を動かしていく経験は、ここでしかできない貴重なものです。共同で大きなプロジェクトを成し遂げた時の達成感は、本当に大きなやりがいになります。

若いうちから、これほど社会に大きなインパクトを与えるプロジェクトに関われる会社は、他にあまりないと思います。社会貢献性の高い、ダイナミックな仕事に挑戦したい学生さんには、すごく刺さる仕事だと自信を持って言えますね。

公共性が高くスケールの大きい案件に携わり、仕事を通じて成長したい方には、ぜひ飛び込んできてほしいですね。