環境取組みに関する行動計画

環境取組みに関する行動計画(2022年5月)

第1章:環境問題に対する認識

企業は社会の一員として環境問題に積極的に取り組まなければならない。健全な地球環境の保全は企業にとってその存続基盤であり、また、持続可能な社会発展を図る企業活動の前提ともなるものである。このため損害保険業界は行動規範の行動指針である「地球環境に関する指針」、ならびに「気候変動対応方針」および「環境取組みに関する行動計画」に則り、環境保全の重要性に対する認識を各社で共有化し、環境保全に向けた取組みを行う。

第2章:具体的行動計画

損害保険業を通じた取組み

複雑・深刻化する「環境リスク」への対策をはじめ、損害保険事業を通じた幅広い取組みを行う。その趣旨から、以下の取組みを推進する。

  • 気候変動対応を含む環境問題に関わる商品の開発・普及および関連するサービスの提供
  • 防災・減災取組み
  • ESGの観点を踏まえた資産運用
  • お客さまとの対話を通じた情報共有
  • 安全運転に通じることをコンセプトにした「エコ安全ドライブ」啓発活動
  • 自動車廃棄物の削減や再生利用推進のために実施しているリサイクル部品活用・部品補修キャンペーン等の活動

社外への情報発信

広く社会に対して情報発信活動を積極的に展開する。その趣旨から、当業界が有する環境問題および気候変動リスクの緩和とそれへの適応に関わる様々なノウハウを提供することとし、具体的には、環境に関するセミナー・公開講座の開催、ガイド・情報誌・図書の発行、コンサルティングの提供などを通じ、積極的に発信していく。

地球温暖化対策

地球温暖化の原因となっている二酸化炭素等の温室効果ガス削減に向けた積極的な取組を行うことが社会的に求められており、紙、電力を大量消費する業界である損害保険業界においても、一層のペーパーレス化や省資源・省エネ対策に努力し、以下の取組を行う。

  • 社会のデジタル化の加速にあわせ、お客さまの利便性向上を図る観点も含め、各種手続き業務の非対面・非接触・ペーパーレス化へのシフトや紙資源のより一層の利用節減に向けて各社が取組みを推進し、業界として紙使用量を現状以下に抑制するよう努力する。
  • オフィスの電力、ガス等エネルギー資源について利用節減を図る。

循環型経済社会の構築

損害保険事業のオフィス型産業としての性格から、循環型経済社会の構築のため、以下の取組みを行う。

  • 再生紙の利用率の向上を図る。
  • オフィスから排出される廃棄物の再利用率の向上を図る。
  • オフィスから排出される廃棄物の最終処分量の削減を図る。
  • オフィスのOA機器の消耗品のリサイクルを図る。
  • 環境への負荷を軽減し、環境保全に役立つ商品(エコマーク商品等)を積極的に購入する「グリーン購入」の推進を図る。

社内教育・啓発

新人研修、階層別研修等をはじめとする社内教育に一層取り組むほか、社員の環境ボランティア活動への参加等を支援する社内体制の整備に取り組むものとする。

環境マネジメントシステムの構築と環境監査

環境への取組みを、具体的に推進し実効あるものとするために、その有効な手段としてISO等の環境マネジメントシステムの活用を図る。

他の企業や組織等との協働

社会全体に対する環境負荷低減の観点から、他の企業や組織等と協働し、取組みを行う。

環境関連法規等の遵守

国・地方自治体などが定めた環境法令の遵守および損害保険業界全体で参加している団体が制定した環境保全計画、環境保全声明等を遵守する。損害保険各社は、上記具体的行動計画に沿って取組みを推進するとともに、これを確かなものとするため、環境問題に関するアンケート調査を実施し、業界全体の実態把握を行う。今後も可能な限り各社独自、または業界全体として具体的な数値目標を設定した上で、より積極的な推進を図ることとする。

第3章:「経団連 カーボンニュートラル行動計画」で損害保険業界が定める目標

2030 年度までに、2013 年度比で床面積あたりの電力消費量におけるCO₂排出量を51%削減する。

損害保険業界のカーボンニュートラル行動計画フェーズⅡ

第4章:「経団連 循環型社会形成自主行動計画」で損害保険業界が定める目標

産業廃棄物最終処分量削減目標

損保業界は、産業廃棄物をほとんど排出しないため、数値目標を設定していない。

業種別独自目標

循環型社会の確実な実施に向けて、各保険会社が取組み体制の整備および本業を通じ取り組む。具体的には以下の取組みを行う。

<各保険会社の取組み>

  • 社内の廃棄物処理管理体制を確立し、事業所から排出される一般事業系廃棄物量の削減を推進させるとともに、収集業者等との連携によって、分別回収を徹底し、リサイクル率の向上に努める。
  • 事務用品の購入に際しては、環境配慮製品の利用率の向上に努める。
  • OA用紙の使用に際しては、両面コピーや2in1コピー、タブレット端末等使用の積極的な活用によって、それぞれが定める削減率等の目標に向けて使用量を抑制する。

<自動車保険を通じた社会への働きかけ>

自動車リサイクル部品の活用を推進する。

業種別プラスチック関連目標

プラスチックごみによる環境汚染対策の一環としてマイバッグおよびマイボトル持参を推進する。

参考その1:「環境取組みに関する行動計画」について

損害保険業界では、経団連地球環境憲章および経団連環境アピールに対応して、1996年11月に「損害保険業界の環境保全に関する行動計画」を制定した。この計画に沿って損害保険各社は「地球温暖化対策」「循環型経済社会の構築」「環境マネジメントシステムの構築と環境監査」および「社内外における環境啓発活動」等を推進し、また損保協会に環境問題に関する専門の委員会(環境部会)を設置するなど、業界を挙げて環境問題に取り組んできた。
一方、環境問題を取り巻く社会状況をみると、さまざまな環境保全の必要性が唱えられている中、地球温暖化対策については、2005年2月に京都議定書が発効し、日本においても二酸化炭素等の温室効果ガス削減について具体的な数値による削減目標が定められたことから、官民一体となった取組みが進められるようになってきた。
これら情勢も相俟って、近年、環境面に配慮した事業活動が一層求められるようになり、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等に向けて、主体的な取組みを実践することが、企業の社会的責任として求められるようになった。
損害保険業としては、社会全体に対する環境負荷低減の観点から、自らの取組みを最大限推し進めた上で、他の企業や組織等と協働した、より幅広い活動を実践する必要性も生じてきた。
この点について、損保協会が2005年3月に全面改定した「行動規範」では、「地球環境に関する指針」において、より具体的な内容を盛り込むこととした。このような環境問題への認識の高まりを踏まえ、2006年3月に「損害保険業界の環境保全に関する行動計画」の一部見直しを行った。
また、気候変動については、国民の生命や生活基盤、経済システムを広く脅かす重大なリスクであることから、グローバルな対応が求められている。我が国も2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、官民一体となった緩和・適応取組みをスタートさせている。こうした中、損害保険業界でも各種補償・サービスの提供やグリーン投資などに取り組んでいるが、サステナブルな社会への円滑な移行に貢献すべく、各種取組みをさらに推進していく必要がある。
そこで、損保協会では2021年7月に「気候変動対応方針」を策定し、これに伴い「損害保険業界の環境保全に関する行動計画」の内容を見直すとともに、「経団連 カーボンニュートラル行動計画」および「経団連 循環型社会形成自主行動計画」の目標部分を抜粋して本計画に追記し、2022年2月に計画名を「環境取組みに関する行動計画」に変更した。また、2022年5月に、「参考その2:『経団連 カーボンニュートラル行動計画』について」の軽微な改定を行った。

参考その2:「経団連 カーボンニュートラル行動計画」について

経団連では、環境自主行動計画(温暖化対策編)が終了する2012年度から2020年度までの温暖化対策の新たな目標として、2009 年12 月に「低炭素社会実行計画」を公表した。これを受け、損害保険業界としても、2010年4月に同実行計画に参加することを表明し、2013年3月に具体的な計画を策定した。
また、2014年7月に、経団連が2030年度までの温暖化対策の目標である「カーボンニュートラル行動計画(低炭素社会実行計画)フェーズ II」を策定することを各業界に要請したことを受け、同年12月に2020年までの低炭素社会実行計画をベースとした具体的な計画を策定した。さらに、2022年2月に、損害保険業界の「カーボンニュートラル行動計画フェーズ II」の「目標・行動計画」および「設定の根拠」を改定した。
※経団連は、2021年6月に「低炭素社会実行計画」を「カーボンニュートラル行動計画」へ改めることを表明した。

参考その3:「経団連 循環型社会形成自主行動計画」について

経団連では、1997年に廃棄物対策に係る「環境自主行動計画」を策定し、産業界全体の目標として産業廃棄物最終処分量の削減を掲げ、3次にわたり目標を深掘りして循環型社会の形成に取り組んできた。2016年度からは名称を「循環型社会形成自主行動計画」と変更のうえ、引き続き循環型社会の形成を目指した取組みを行っている。損害保険業界も本計画に参加し、循環型社会の形成に向け取り組んでいる。

更新:2022.05.11(業務企画部 啓発・教育・防災グループ)

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