ジャカルタでISJ海外セミナーを開催
~現地で検討が進む強制自動車保険制度、課題となっている自然災害への対応等について日本の経験を紹介~

 日本損害保険協会(会長:原 典之)は、9月27日(水)と28日(木)にインドネシアのジャカルタで、公益財団法人 損害保険事業総合研究所(損保総研)と共催で、ISJ(日本国際保険学校)海外セミナーを開催しました。

 インドネシアの損保会社、監督官庁等から、初日のセミナーには112名、2日目のワークショップには54名が参加し、活発な質疑応答、意見交換が行われました。

 損保協会では、今後とも一層アジア各損保市場のニーズを的確に掴み、それぞれのニーズに応える支援を推進していきたいと考えています。

セミナーの内容

 セミナー開催にあたっては、事前にインドネシア損害保険協会(AAUI)等を訪問して、現地で課題となっているトピックを聴取し、自然災害リスクの集積管理、ERM、地震保険や、現在、制度導入が検討されている強制自動車保険を取り上げました。

 日本の制度、取組みや、背景にある考え方を紹介し、現地での検討の参考となる情報を提供しました。特に、強制自動車保険については、制度導入の前提となる賠償責任の考え方を説明し、参加者の理解を深めました。

 また金融庁監督局保険課の 及川 景太 課長補佐に「財務健全性の監督」について講義いただき、官民両分野での支援を行ないました。

日・尼両業界トップがセミナーの意義・期待を表明

 開講式では当協会の 伊東 祐次 常務理事が開講挨拶を行い、「今回のセミナーが、参加者が重要な課題について理解を深め、インドネシア損害保険業界のより健全で持続的な発展につながる解決策を見つけるきっかけとなればこれ以上の喜びはない」、「両国の保険専門家間で活発な論議が行われ、私自身も参加できることを楽しみにしている」とセミナーへの期待を述べるとともに、「ISJ等の場を通してベスト・プラクティスを共有し、より良い解決策を探るアジアの地域間協力を促進していきたい」とのアジアの地域間協力支援推進の意向を表明しました。

 在インドネシア日本国大使館の本清 耕造 臨時代理大使からは、「40年以上にわたるISJ事業を通じた日・尼両国間の保険業界関係者の交流がインドネシア保険市場の発展に大きく寄与したこと知り喜ばしく思う」、「ASEAN最大の自動車市場であるインドネシアにおいては自動車保険の普及・強化が重要課題となっており、両国の保険業界関係者にはその大きな担い手となることを期待する」との来賓挨拶をいただきました。

 インドネシア側からは、損保協会(AAUI)のダダン協会長、金融サービス庁(OJK)のナスルラー理事が挨拶し、ISJを始めとした日本からの支援に対する謝意が表されるとともに「セミナーで学んだことを協会内での今後の制度・実務改善の検討に活かしたい」との意向が示されました。また、閉会式では損保総研の佐野 清明 理事長が各講義の内容を振り返りながら閉会の挨拶を行ないました。

ISJ卒業生とも交流強化

 セミナー2日目の夕刻には、これまでISJ一般、上級コース(東京で開講)を卒業したインドネシアのISJ卒業生との交流を目的として、ISJ同窓会を開催しました。インドネシアからは、1972年のISJ創設以降、延べ221名が一般、上級コースを卒業していますが、同窓会には1970年代の卒業生を含め、約60名が参加し、損保協会、損保総研役員や、セミナー講師と交流を深めました。

開講挨拶を行う損保協会・伊東常務理事
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