FSBの気候関連リスクの規制・監督手法に係る文書について意見提出

 日本損害保険協会(会長:白川 儀一)は、金融安定理事会(FSB)が4月29日から6月30日まで市中協議を実施した、「気候関連リスクに対する規制・監督手法:中間報告書」について意見を提出しました。

市中協議文書の概要

  • 本文書は、気候変動から生じるシステムワイドな金融リスクをモニター、管理、削減するための規制・監督手法の向上を図り、セクターおよび法域間の一貫性を高めることを目的としている。
  • 本文書では、規制・監督上の報告と金融機関からのデータ収集、規制・監督手法におけるシステミックリスクの取込み、気候関連リスクに係るその他のマクロプルデンシャルツール・政策の初期検討に関して、規制・監督当局が考慮すべき事項等が示されている。
  • FSBは、2022年第4四半期に最終報告書を公表することを予定している。

損保協会意見の概要

  • 規制・監督当局が気候関連リスクをモニター・管理・低減するにあたり、セクターや地域間で整合するアプローチを取ることを支援するために、必要なデータや指標を提案する本文書の目的は理解する一方、気候関連リスクは比較的新しく、発展途上の分野であるため、柔軟に検討が進められるべきと考える。
  • 例えば、エクスポージャーの特定や影響を理解するため、金融機関・取引先の温室効果ガス排出量のスコープ1、2、3に関するデータ報告を強化することが記載されている。スコープ3の投資に係る排出量については、計測手法が開発中である資産区分も存在し、開示が十分でない企業も多いことから、このような状況に合わせた柔軟な対応を求める。
  • データの信頼性向上に向け、内部監査機能による報告データのレビューや第三者検証メカニズムの導入が提案されている。内部監査機能のレビューによる信頼性向上の可能性は理解するが、同機能を含む会社の各組織の役割は様々であり、柔軟性が認められるべきである。また、第三者検証メカニズムについては、検証機関・検証人の資格認証やガバナンスの問題、検証対象のデータや目的、実効性についても十分に考慮し、その導入の是非も含め慎重に検討すべきと考える。
  • 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の気候開示基準がグローバルベースラインとして参照するにふさわしい基準として開発が進むことを前提に、これと整合する形で当局が金融機関のデータ報告基準を策定することは、比較可能性を向上させ、金融機関のデータ報告負担を軽減させる可能性があるため、賛同する。
  • 規制・監督上の目的のためにより詳細なデータを必要とする場合には、当局は定性情報の収集から始め、徐々に定量情報を追加し、質を向上させていくべきとの提案について、収集するデータはその目的、活用方法を明確にし、入手可能性を踏まえて検討すべきと考える。

FSB「気候関連リスクに対する規制・監督手法:中間報告書」に関する損保協会意見

 当協会は、国際的な金融・保険分野の規制・監督に関連する議論に積極的に参加しており、今後も市中協議等に際して本邦業界の意見を表明していきます。

更新:2022.07.01

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