自動車盗難の被害、特定の車に集中
~「第21回自動車盗難事故実態調査結果」を発表~
【No.20-04】

 一般社団法人日本損害保険協会(会長:金杉 恭三)は、「第21回自動車盗難事故実態調査結果」を発表します。
 本調査は、2000年度から自動車盗難防止対策の一環として、自動車本体盗難事故や車上ねらい事故の実態調査を実施しているもので、今回が21回目となります。
 当協会では、今後も警察庁などと連携し、自動車盗難防止関連の取組みを推進していきます。

1.実態調査結果(概要)

  • 車両本体盗難の被害は、特定の車種に集中する傾向にあります。
  • 車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は、401.4万円と増加傾向にあります。
  • 盗難発生時間帯では、深夜から朝にかけて被害が多く発生しています。
  • 盗難発生場所では、屋外駐車場が狙われやすく約74%を占めています。

2.実態調査結果(詳細)

(1)車両本体盗難の車名別盗難状況

  • 車両本体盗難の車名別盗難状況は、ワースト3車種が昨年度と同じになるなど、車両本体盗難の被害が特定の車種に集中する傾向が続いています。
  • ランドクルーザーは昨年度調査の35件から42件に増加しました。
  • レクサスは、今回から車種別に調査を行ったところ、レクサスの中でもLXが25件と最も盗難被害が多くなりました。レクサスは合計で56件となりました。

(2)車両本体盗難1件あたりの支払保険金

  • 車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は、近年増加傾向にあり、今回は、401.4万円(昨年度調査では361.4万円)となっています。
  • 車両本体盗難に関する車名別盗難状況からも、比較的高額な車両が狙われることが多いと推測できます。

(3)盗難発生時間帯

  • 車両本体盗難の発生時間帯は、「深夜~朝(22~9時)」が70.3%を占めていますが、その発生比率が減少し、日中の発生比率が増加しています。
  • 窃盗犯は深夜から朝にかけて薄暗い場所で窃盗に及ぶ傾向があります。例年11月のデータを基に調査を行っていますが、今回は日の入りが早い2月のデータを基に調査を行ったことから、日中時間帯でも薄暗い時間の犯行が増えたものと推察されます。

(4)盗難発生場所の割合

  • 車両本体盗難の発生場所については、51.3%と過半数が「自宅(屋外)」で発生しています。
  • 「契約駐車場(屋外)」も含めると、車両本体盗難の74.1%が屋外で発生しており、屋外駐車場の車両が圧倒的に狙われやすい傾向があります。

※上記グラフは、車両本体盗難の数値
※屋内:屋根があり、かつ4方向が壁やシャッターで囲まれているもの
※屋外:上記に該当しないもの

調査結果詳細はリンク先「自動車盗難事故実態調査」の第21回調査をご覧ください。

3.実態調査の実施概要

  • 調査期間:2020年2月1日~2月29日
  • 調査対象:損害保険会社18社(損保協会非会員会社を含む)
  • 対象事案:全国で発生した自動車本体盗難事故および車上ねらい(部品盗難含む)事故で調査期間内に車両保険金の支払いを行った事案(車両本体の盗難の調査総数は232件、車上ねらいの調査総数は224件)

ご参考:自動車盗難認知件数・盗難等防止対策について

  • 自動車盗難認知件数は、2003年の年間64,223件をピークに減少傾向が続いており、2019年は年間7,143件となりました。(出典:警察庁「犯罪統計資料」)
  • 認知件数減少は、増加する自動車盗難被害に対して、当協会が民間側の事務局を務める「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」が長年にわたり自動車盗難の対策および減少に向けて精力的に取り組んできた成果です。
  • 盗難等防止対策として、普段から「バー式ハンドルロックや警報装置などの盗難防止機器を使用する」「防犯設備が充実した駐車場を利用する」「貴重品は車内に放置しない」など、複数の防犯対策を講じることが有効です。また、自宅の駐車場でも安心せずに、防犯カメラや防犯灯などを利用して窃盗犯が心理的・物理的に侵入しづらくすることも重要です。

「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」のウェブサイトでも、自動車盗難防止対策を紹介しています。(外部リンク)

自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム

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