保険セクターにおけるシステミックリスクの評価及び削減のための包括的枠組み

 世界的な金融危機を受け、G20および金融安定理事会(FSB)は、グローバルなシステム上重要な金融機関(G-SIFIs)を選定し、それらの金融機関に新たな規制を課す枠組みを構築しています。

 保険分野では保険監督者国際機構(IAIS)が、「グローバルなシステム上重要な保険会社(G-SIIs)」を選定し、追加規制を課す枠組みを構築してきましたが、IAISは2019年にG-SIIsの年次選定の代替として、「保険セクターにおけるシステミックリスクの評価及び削減のための包括的枠組み」をICP・ComFrameの一部として完成させ、メンバー(監督当局)に対して2020年以降順次実施するよう求めて来ました。

 本枠組みは、個別の事業者の破綻だけでなく、複数の事業者の集合的な活動によるリスクの伝播・増幅も対象とし、監督者による措置(介入権限、危機管理グループ設置、破綻処理計画策定等)や保険会社による措置(流動性リスク・カウンターパーティーリスク管理、再建計画策定等)、およびIAISによるグローバルなリスクモニタリング(保険セクターレベル、および個別保険会社レベル)の実施などが規定されています。G-SIIsの枠組みは特定の事業者だけに対象が限定されていましたが、本枠組みでは、幅広い事業者を対象に政策措置が比例的に適用されるものでした。

 今般、FSBはIAISと協議の上、本枠組みの実施状況に基づいて、年次のG-SIIs選定を再導入すべきか廃止すべきかを検討した結果、2022年12月に選定の廃止を決定しました。FSBは、今後、本枠組みを通じて得られた評価を、保険セクターのシステミックリスクに関する検討において活用していくとしています。

損保協会の提出意見

損保協会が過去に提出した意見につきましては、以下の資料をご覧ください。

更新:2023.02.07(経営企画部 国際業務室)

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