ベトナムを対象に医療費に関する保険金支払適正化支援を実施
~オンラインセミナーを開催し、損保会社、監督官庁役職員等に日本の取り組みを紹介~

日本損害保険協会(会長:白川 儀一)は、10月12日(水)に、ベトナムの損保業界を対象とした医療費に関する保険金支払適正化支援のため、アジアへの金融インフラ整備支援を進めている金融庁と連携してオンラインセミナーを開催しました。

1.支援の背景

損保協会は、保険金支払適正化をアジア各損保市場共通の課題と認識して、支援を行っています。

ベトナムでは、医療保険の保険金支払における医療費の適正化が大きな課題となっており、ベトナム保険協会(IAV)から、支援要請を受けました。これを受け、今回のセミナーでは、日本の損保会社・業界の、医療費に関する保険金支払適正化の取り組みを紹介し、ベトナムの損保会社の専門性を高めるとともに、業界ベースの取り組みを促進させることを目指しました。

ベトナムに対しては、2020年11月に開講したISJ海外セミナーで保険金支払適正化を取り上げ、日本の情報交換制度を始めとした業界ベースの取り組みを紹介しています。さらに本年2月には損害保険会社取り組みを紹介するオンラインセミナーを開催し、ベトナム損保業界における取り組み促進を促しています。当協会は2009年9月にベトナム保険協会と協力覚書(MoU)を締結しており、本セミナーは本覚書に基づく支援の位置付けも持っています。

2.講義内容・講師

セミナーでは、「日本の損保業界の医療費に関する保険金支払適正化の取り組み」をメインテーマとして、損保ジャパン社社員が同社の取り組みを、損保協会職員が「医研センター」(損害サービス企画部試験・医研センターグループ)における業界ベースの医療調査担当者の研修を紹介しました。

3.開講挨拶

セミナーでは、アジア支援で連携している金融庁、損保協会、ベトナム保険協会から開講挨拶を行い、参加者に対して、本セミナーで学んだことを基に、保険金支払適正化の取り組みを進めてほしい、との期待が述べられました。
【挨拶者】
(1)金融庁:秘書課長(ベトナム副カントリーマネジャー(*)) 岡田 大 氏
(2)日本損害保険協会:常務理事 伊豆原 孝
(3)ベトナム保険協会:協会長 グエン・スィアン・ヴィエト 氏
(Mr. Nguyen Xuan Viet, Chairman of the Insurance Association of Vietnam (IAV))
(*)今回のセミナーは、アジアへの金融インフラ整備支援を進めておられる金融庁と連携して行っており、金融庁が庁内で支援促進のために定めているベトナムの副カントリーマネージャーである岡田秘書課長にも、ご挨拶いただきました。

4.参加者

セミナーには、ベトナムの損保会社、保険監督官庁、保険協会の役職員等、計163名が参加しました。

5.セミナーに対する反響

参加者からは、具体的な経験、ノウハウが共有されたことに対する謝意とともに、「自社でも医療調査職員制度を導入したい」、「損害調査担当者の専門性向上の必要があることを認識した」等との声が寄せられ、現地での具体的な改善の動きを作る契機となることができました。日本のように多くの医療調査職員を配置することが難しい場合にはどのような対応を採れば良いか」などといった具体的な対応に関する質問も寄せられましたが、講師からは、丁寧な回答が行われ、具体的な対応策を検討する上で参考となる情報を提供しました。

当協会では、こうした支援を通して、経済成長を遂げるベトナムにおいて、益々重要な役割を果たす損保業界が、社会・経済の発展を支えることができるよう、支援を継続してまいります。

開講挨拶を行った損保協会伊豆原常務理事と講師陣(講義時にはマスクを着用しています。)
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