IAIS保険セクター気候変動リスク文書案に意見提出

市中協議で民間保険会社の意見考慮を要望

 日本損害保険協会(会長:原 典之)では、保険監督者国際機構(IAIS)(※1)が公表した「保険セクターに対する気候変動リスクに係るイシューズ・ペーパー(※2)案」に対する意見を4月27日(金)に提出しました。

 本文書は、気候変動が作り出す問題について保険者と監督者の認識を高めることを目的に、主に次の内容をまとめたもので、3月30日(金)から4月29日(日)まで市中協議(パブリック・コメント)に付されました。

<文書の主な内容>

 当協会では、本文書の目的に賛同しつつ、今後の検討にあたっては、民間保険会社の意見を十分に考慮するなど、丁寧な議論が行われるよう要望しました。

保険監督者国際機構(IAIS)「保険セクターに対する気候変動リスクに係る市中協議文書」に対する損保協会意見(PDF)

<当協会意見概要>

 IAISは、今回の市中協議に寄せられた意見を参考に検討を進め、2018年7月までに本文書の完成を予定しています。

 当協会は、IAISにおける国際保険監督基準策定の議論に積極的に参加しており、今後も関係国際機関等に対して本邦業界の意見を表明していきます。

(※1)保険監督者国際機構(IAIS)の概要

1994年に設立され、世界約150カ国・地域の保険監督当局(メンバー)で構成。主な活動は以下のとおり。

1)保険監督当局間の協力の促進
2)保険監督・規制に関する国際基準の策定および導入促進
3)メンバー国への教育訓練の実施
4)金融セクターの他業種の規制者等との協力
※日本からはメンバーとして金融庁が参加しており、当協会もステークホルダーとして積極的に関与する方針を掲げている。

(※2)イシューズ・ペーパー

IAISが作成する文書の一類型。扱うトピックの背景や現在行われている取組み、ケーススタディ等を提供し、規制・監督上の論点・課題を特定することを意図としている。説明を提供することが目的であり、監督者がその内容を実施することは期待されていない。ただし、基準策定に向けた準備として作成されることが多く、IAISによる今後の作業に関する推奨を含む場合がある。

(※3)TCFD提言

TCFDは、投資家や貸し手等が重要な気候変動関連リスクを理解する上で有用となる、任意かつ一貫性のある開示の枠組みを策定することを目的として、FSB(金融安定理事会)が2015年12月に設置した民間主導のタスクフォース。2017年7月に、気候変動関連財務情報の任意の開示の枠組みに関する最終報告書(Recommendations of the Task Force on Climate-related Financial Disclosure)を公表した。

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