IAIS破綻処理権限・計画に係る文書案に意見提出

破綻処理計画策定における財務健全性の適切な考慮等を要望

 日本損害保険協会(会長:広瀬 伸一)では、保険監督者国際機構(IAIS)(※1)が2020年11月9日から2021年2月5日まで市中協議(パブリック・コメント)に付した「破綻処理権限・計画に係るアプリケーション・ペーパー(AP)案」(※2)に対する意見を2月2日に提出しました。

<文書案の主な内容>

 本文書案に対して、当協会からは、「財務健全性が高い会社が破綻処理計画を策定する場合、健全性が不十分な保険会社よりも相対的に簡素な計画が容認されるべき」「破綻処理計画と再建計画の内容や詳細度に一貫性・整合性が確保されるべき」との意見や、「破綻処理実行可能性評価がその目的に照らして保険会社・グループの過度な負担とならないよう、特に健全性の高い保険会社・グループには、評価に必要な内容や実施頻度に関し適切な考慮がなされるべき」といった要望を提出しました。

保険監督者国際機構(IAIS)「破綻処理権限・計画に係る市中協議文書」に対する損保協会意見

<当協会意見概要>

 IAISは、今回の市中協議に寄せられた意見を参考にさらなる検討を進め、本年中旬に確定版を公表予定です。
 当協会は、IAISにおける国際保険監督基準策定の議論に積極的に参加しており、今後も関係国際機関等に対して本邦業界の意見を表明していきます。

(※1)保険監督者国際機構(IAIS)の概要

1994年に設立され、世界約150カ国・地域の保険監督当局(メンバー)で構成。主な活動は以下のとおり。

1)保険監督当局間の協力の促進
2)保険監督・規制に関する国際基準の策定および導入促進
3)メンバー国への教育訓練の実施
4)金融セクターの他業種の規制者等との協力

※日本からは金融庁がメンバーとして参加しており、当協会もステークホルダーとして積極的に関与する方針を掲げている。

(※2) アプリケーション・ペーパー(AP)

IAISが作成する文書の一類型。IAISの監督文書(ICP、ComFrame等)の特定のテーマにおいて、原則や基準の一律な解釈や適用が難しい場合に、事例やケーススタディを提供することを目的に作成される文書。助言や具体例、推奨、事例などを含む。

破綻処理権限・計画に係るアプリケーション・ペーパー(AP)案(外部リンク)

(※3) 保険基本原則(ICP)

IAISが定める、すべての保険者・保険グループの監督において適用されるべき基本原則。保険監督機関が自らや保険会社に関し権限を持ち、管理すべき分野(例:免許交付、モニタリング、検査、破綻処理、ガバナンス、リスク管理、資本十分性、投資、開示等)について定める。適用度・強制度に応じ、「原則」、「基準」、「ガイダンス」の3層で構成。IAISのメンバー国はICPに則った監督制度を実施することが推奨されている。

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