IAISマクロ健全性監督に係る文書案に意見提出

 日本損害保険協会(会長:広瀬 伸一)は、保険監督者国際機構(IAIS)(※1)が2021年3月8日から5月7日まで市中協議(パブリック・コメント)に付した「マクロ健全性監督に関するアプリケーション・ペーパー(AP)案」(※2)に対する意見を提出しました。

<当文書の概要>

 本文書案に対して、当協会からは、1.保険会社自身のリスク管理等のために実施するORSA(リスクとソルベンシーの自己評価)やリスクアペタイトステートメント等に対する過度な介入等、監督実務としての記載の妥当性に関する指摘、2.保険セクターのシステミックリスクが銀行セクター等と比べて小さいことを踏まえたリスク評価プロセスの見直し提案、3.保険会社の実務等への影響の懸念、等の観点で、以下概要のとおり意見を提出しました(詳細は添付資料参照)。

<当協会意見の概要>

保険監督者国際機構(IAIS)「マクロ健全性監督に関するアプリケーション・ペーパー」に対する損保協会意見

(※1)保険監督者国際機構(IAIS)の概要

1994年に設立され、世界約200カ国・地域の保険監督当局(メンバー)で構成。主な活動は以下のとおり。

  1. 1.保険監督当局間の協力の促進
  2. 2.保険監督・規制に関する国際基準の策定および導入促進
  3. 3.メンバー国への教育訓練の実施
  4. 4.金融セクターの他業種の規制者等との協力

※日本からは金融庁がメンバーとして参加しており、当協会もステークホルダーとして積極的に関与する方針を掲げている。

(※2) アプリケーション・ペーパー(AP)

IAISが作成する文書の一類型。IAISの監督文書(ICP、ComFrame等)の特定のテーマにおいて、原則や基準の一律な解釈や適用が難しい場合に、事例やケーススタディを提供することを目的に作成される文書。助言や具体例、推奨、事例などを含む。

(※3) 保険基本原則(ICP)

IAISが定める、すべての保険者・保険グループの監督において適用されるべき基本原則。保険監督機関が自らや保険会社に関し権限を持ち、管理すべき分野(例:免許交付、モニタリング、検査、破綻処理、ガバナンス、リスク管理、資本十分性、投資、開示等)について定める。適用度・強制度に応じ、「原則」、「基準」、「ガイダンス」の3層で構成。IAISのメンバー国はICPに則った監督制度を実施することが推奨されている。

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